叫びのヨーヨー

叫びのヨーヨー (Screaming Yo-yo) は、外見上はマグルの玩具である通常のヨーヨーとほとんど見分けがつかない。しかし、ひとたび魔法がかけられているこのヨーヨーを操作して回転させると、耳をつんざくような甲高い叫び声をあげる。その主な特徴は物理的な形状よりも、使用時に発生する騒音にある。

このヨーヨーの唯一にして最大の特徴は、使用時に大きな叫び声をあげることである。この騒音は、授業中や廊下で教師や監督生の注意をそらし、混乱を引き起こすことを目的とした、典型的な魔法のいたずら道具である。その単純ながらも非常に効果的な機能は、フレッドジョージが創設したウィーズリー・ウィザード・ウィーズ店の製品哲学をよく表している。

叫びのヨーヨーは、フレッド・ウィーズリージョージ・ウィーズリーホグワーツ在学中に開発した、数多くのいたずら道具の一つである。彼らは将来のビジネス「ウィーズリー・ウィザード・ウィーズ店」の礎として、これらの製品を開発・実験していた。 1995年から1996年にかけての学年で、魔法省から派遣されたドローレス・ジェーン・アンブリッジが「ホグワーツ上級審問官」として学校の支配を強めると、彼女は数々の「教育令」を発布した。その中には、ウィーズリー兄弟が開発した製品群を名指しで禁止するものが含まれており、叫びのヨーヨーもその対象となった。ホグワーツの管理者であるアーガス・フィルチは、生徒たちから没収したこれらの品々を専用の戸棚に保管していた。 アンブリッジ体制への壮大な反抗としてホグワーツを退学した後、フレッドとジョージはダイアゴン横丁93番地にウィーズリー・ウィザード・ウィーズ店を開店し、叫びのヨーヨーを正式な商品として販売した。

  • ハリー・ポッターと炎のゴブレット: このアイテムの名前が初めて登場する。ウィーズリー夫人としても知られるモリー・ウィーズリーが、フレッドとジョージの部屋を掃除している際に、彼らが隠していたいたずら道具の注文書を見つけ、そのリストに「叫びのヨーヨー」が含まれていた。
  • ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団: アンブリッジの圧政に対する生徒たちのささやかな抵抗の象徴として重要な役割を果たす。禁止令にもかかわらず、生徒たちはこれらのいたずら道具を使い続け、アンブリッジを苛立たせた。ハリー・ポッターが罰則でフィルチのオフィスを訪れた際、没収された叫びのヨーヨーが他のウィーズリー製品と共に棚に並べられているのを目撃している。この道具は、ウィーズリー兄弟の類稀なる発明の才能と、権威に屈しない反骨精神を具体的に示す小道具として機能している。

著者J.K.ローリングのインタビューや公式ウェブサイト「Pottermore」において、このアイテムに関する特別な背景情報は明かされていない。