爆発もだえ尾イモリ

爆発もだえ尾イモリ (Blast-Ended Skrewt) は、ホグワーツ魔法魔術学校禁じられた森の番人であるルビウス・ハグリッドが、ファイア・クラブマンティコアを非合法に交配させて創り出した、極めて危険な魔法生物です。その予測不可能な行動と強力な攻撃能力から、魔法生物飼育学の授業で扱われた際には生徒たちを大いに苦しめ、1994年の三大魔法学校対抗試合では第三の課題における障害物として利用されました。

爆発もだえ尾イモリの生態は、その成長段階に応じて劇的に変化します。

  • 幼体: 孵化した直後は体長数インチで、殻のないロブスターのような姿をしています。体は青白くぬるぬるしており、脚が不規則な角度で突き出ています。この段階では腐った魚のような強烈な悪臭を放ちます。
  • 成体: 成長すると体長は最大10フィート(約3メートル)に達し、全身が灰色の光沢を帯びた、呪文を弾くほど頑丈な甲殻に覆われます。頭と尾の区別がつきにくく、雄は尾に長い刺を持ち、雌は腹部に吸盤を持っています。
  • 攻撃方法: 主な攻撃手段は、名前の由来ともなった体の後端部(爆発側)からの強力な火花の噴射です。この爆発は攻撃だけでなく、自身を前方に推進させるためにも使われます。雄の持つ刺もまた危険な武器となります。
  • 弱点: 唯一の弱点は、甲殻に覆われていない腹部です。ほとんどの呪文は硬い甲殻に弾かれますが、この部分への攻撃は有効です。
  • 習性: 非常に攻撃的で、共食いの習性があります。集団で飼育すると互いに殺し合うため、その数は自然に減少していきます。
  1. 1994年 - 1995年: ルビウス・ハグリッドが4年生の魔法生物飼育学の教材として導入しました。生徒たちは箱の中でイモリを飼育し、散歩させるなどの課題を与えられましたが、その危険性ゆえに多くの生徒が火傷を負いました。
  2. 三大魔法学校対抗試合: 三大魔法学校対抗試合の第三の課題で、迷路の中に配置された障害物の一つとして登場しました。ハリー・ポッターは迷路内で遭遇した個体に対し、その弱点である腹部にインペディメンタ(妨害呪文)を命中させて撃退しました。
  3. メディアでの言及: リータ・スキーター日刊予言者新聞の記事で、この生物の危険性を誇張して報じ、ハリー・ポッターが授業中に重傷を負ったかのように記述しました。
  • Blast-Ended: 「爆発する末端」を意味し、尾から火花を噴射する能力に直接由来します。
  • Skrewt: 特定の語源を持つ単語ではありませんが、「ねじれた (screwed)」や「けだもの (brute)」を彷彿とさせる不快な音感を持つ、J.K. ローリングによる造語と考えられます。
  • 映画版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、魔法生物飼育学の授業の場面が省略されたため、第三の課題の迷路に登場するのみとなっています。(映画設定)
  • 同名のビデオゲームでは、迷路における主要な敵キャラクターとして登場します。(ゲーム設定)