蛙チョコレート・カード

• タイプ (Type): 魔法道具、収集品
• 所有者 (Owners): 魔法使いや魔女、特にホグワーツの生徒たち。主な収集家としてハリー・ポッターやロン・ウィーズリーが知られている。
• 製造者 (Maker): 不明。市販の蛙チョコレートに一枚ずつ付属している。

蛙チョコレート・カードは、光沢のある五角形のカードです。表面には有名な魔女や魔法使いの動く立体的な肖像画が描かれており、カードの持ち主と目が合うこともあります。この肖像画はホグワーツの城にある肖像画と同様に、時折カードの額縁から姿を消すことがあります。 カードの裏面には、その人物の簡単な経歴や、歴史における特筆すべき功績が簡潔に記載されています。

• 収集と交換: このカードの主な用途は、魔法使いの子供たちの間での収集と交換です。これはマグル社会におけるトレーディングカードに似た趣味とされています。ロン・ウィーズリーは数百枚のコレクションを所有していましたが、有名な錬金術師であるアグリッパや天文学者のプトレマイオスのカードは持っていませんでした。
• 情報源: カード裏面の記述は、魔法界の歴史や重要人物について知るための貴重な情報源となります。この特性は、物語の進行において重要な役割を果たしました。

カードの正確な起源は不明ですが、長年にわたり蛙チョコレートの人気の付属品として魔法界に存在しています。 アルバス・ダンブルドアは、自身のカードにおいて「数ある功績の中でも特に誇りに思うこと」として、このカードに掲載されたことを挙げています。これは、彼が若い世代との繋がりや、魔法界の文化の一部となることを大切にしていたことを示唆しています。 カードのラインナップは固定ではなく、時代を象徴する新たな魔女や魔法使いが追加されていきます。（Pottermore）によると、後にハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーも自身のカードに選ばれており、ロンはこれを「人生最高の瞬間」だと語っています。

『ハリー・ポッターと賢者の石』において、蛙チョコレート・カードは物語の核心的な謎を解くための決定的な手がかりとなりました。ホグワーツ特急で初めて蛙チョコレートを食べたハリーは、アルバス・ダンブルドアのカードを手に入れます。その裏面に書かれていた「錬金術のパートナー、ニコラス・フラメル」という一文が、ハリーたちの記憶に残り、後に「賢者の石」の創造者を特定する上で極めて重要な役割を果たしました。 また、このカードは魔法界の文化や日常を象徴するアイテムであり、読者に対して、魔法社会にも子供たちが楽しむ親しみやすい文化が存在することを示す役割も担っています。

• 映画: 映画シリーズで描かれた精巧な五角形のデザインは、蛙チョコレート・カードの象徴的なビジュアルとして広く知られるようになりました。（映画設定）
• ゲーム: 初期の『ハリー・ポッター』のビデオゲームでは、蛙チョコレート・カードは主要な収集要素として登場し、原作には登場しない多くの歴史上の魔法使いや魔女が描かれ、世界観を補完しました。（ゲーム設定）