魔法スポーツ部
基本情報
- タイプ (Type): 魔法省の部局
- 所在地 (Location): 魔法省本部 地下7階
- 部長 / 主要職員 (Head/Key Staff):
- 部長: ルード・バグマン (1994年時点)
- 職員: バーサ・ジョーキンズ (魔法国際協力部へ異動する前)
- 主な責務 (Key Features):
- 魔法界のスポーツイベント(クィディッチ・ワールドカップ、三大魔法学校対抗試合など)の企画・運営・規制
- 国際的なスポーツ協力の促進
- 魔法ゲームに関する規則の制定と執行
解説と歴史
魔法スポーツ部 (Department of Magical Games and Sports) は、英国魔法省を構成する主要な部局の一つです。その名の通り、クィディッチをはじめとする魔法界のあらゆるスポーツやゲームを管轄しています。本部は魔法省の地下7階にあり、魔法運輸部や魔法国際協力部と同じ階に位置しています。 この部局の最も重要な役割は、国内および国際的な大規模スポーツイベントの開催です。1994年には、422回目となるクィディッチ・ワールドカップ決勝戦の運営を担当し、英国に何万人もの魔法使いと魔女を迎え入れました。同年には、ホグワーツ魔法魔術学校で三大魔法学校対抗試合を復活させる際にも、魔法国際協力部と協力して中心的な役割を果たしました。 物語の時点では、元ウィムボーン・ワスプスの著名なビーターであったルード・バグマンが部長を務めていました。彼のスポーツ界での名声は、この役職に適任であるかのように見えましたが、彼の無責任な性格と深刻なギャンブル依存症は、職務遂行に大きな問題を引き起こしました。また、かつてこの部局に所属していたバーサ・ジョーキンズは、ルード・バグマンのせいでトラブルに巻き込まれ、バーテミウス・クラウチ・シニアの下へ異動させられた過去があります。この出来事が、後にヴォルデモート卿の復活に間接的に繋がることになります。
物語における役割
魔法スポーツ部は、特に『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の物語において極めて重要な背景を担っています。
- クィディッチ・ワールドカップの運営: 物語の序盤、本部局が運営するワールドカップのキャンプ地で発生した混乱や、ルード・バグマンの奔放な振る舞いが描かれます。これは、魔法省の管理体制の脆弱さや官僚主義的な一面を浮き彫りにしました。
- 三大魔法学校対抗試合の開催: 本部局は、この歴史的な大会の復活と運営に深く関与しました。部長であるルード・バグマンは審判の一人を務めましたが、彼は大会を利用して自身の賭博による負債を清算しようと企み、ハリー・ポッターを不正に手助けしようとしました。
- バーサ・ジョーキンズの失踪: 元職員であるバーサ・ジョーキンズが握っていた情報(三大魔法学校対抗試合の開催と、バーテミウス・クラウチ・ジュニアの生存)が、ヴォルデモート卿の手に渡ったことが、彼の肉体の復活計画を可能にしました。この意味で、魔法スポーツ部は意図せずして物語の核心的な出来事の引き金となっています。
既知の課
魔法スポーツ部の内部には、より専門的な業務を担当する以下の課が存在することが確認されています。
- 英国・アイルランドクィディッチリーグ本部 (British and Irish Quidditch League Headquarters)
- 公式ゴブストーンクラブ (Official Gobstones Club)
- 奇抜な特許課 (Ludicrous Patents Office)
幕後情報
- 映画版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、ルード・バグマンの役割が大幅に削減され、バーサ・ジョーキンズに関する筋書きも完全に省略されました。その結果、魔法スポーツ部自体の存在感や、その機能不全が物語に与える影響はほとんど描かれていません。(映画設定)
- この部局の描写は、現実世界のスポーツ統括団体や官公庁に見られる官僚主義、縁故主義、そして時折発生するスキャンダルに対する風刺と解釈することができます。