おできを治す薬は、最も基本的な魔法薬の一つです。正しく調合された場合の外観については、原作に詳細な記述はありません。 しかし、調合に失敗した際の状態は記録されています。ネビル・ロングボトムが大鍋を火から下ろさずにヤマアラシの針を加えた際、薬は緑色の濃い煙を上げ、シューシューと大きな音を立てました。最終的に大鍋を溶かし、床にこぼれた液体は生徒たちの靴に穴を開けるほどの酸性を示しました。 この薬の調合には以下の材料が使われます。
この薬の主な効果は、その名の通り、おできや吹き出物を治療することです。魔法によって引き起こされたものか、あるいは自然発生したものかを問わず効果があると考えられます。 調合手順は比較的単純であるため、ホグワーツ魔法魔術学校の魔法薬学の授業で一年生が最初に学ぶ課題の一つとなっています。しかし、手順を誤ると危険な結果を招くことがあります。特に重要なのは、「ヤマアラシの針は、大鍋を火から下ろしてから加える」という手順です。これを怠ると、薬が激しく反応し、前述のような失敗を引き起こします。
おできを治す薬は、ハリー・ポッターがホグワーツで受けた最初の魔法薬学の授業で登場し、物語の初期において重要な役割を果たしました。 この授業で、担当教授のセブルス・スネイプはハリーに対して一方的な敵意を示し、彼の理不尽な教育スタイルを印象付けました。授業中、ネビル・ロングボトムは調合に失敗し、シェーマス・フィネガンの助けを借りようとして大鍋を溶かしてしまいます。飛び散った薬を浴びたネビルは、腕や足に真っ赤なおできを発生させました。 ハリーがネビルを助けようとしたにもかかわらず、スネイプはハリーの行動を規則違反とみなし、グリフィンドール寮から理不尽に点を引きました。この出来事は、ハリーとスネイプの間の緊張に満ちた関係性を決定づける最初の場面となりました。また、ハーマイオニー・グレンジャーがネビルを助けようと手順を的確に指摘する場面は、彼女の優秀さと親切心を示しています。