グール (Ghoul) は、魔法生物の一種である。一般的には無害と見なされており、魔法使いの家の屋根裏や納屋に棲みつくことがある。 外見は、ぬるぬるとした、出っ歯のオーガに似ていると描写されている。知性は高くないが、その存在は魔法使いの家庭ではしばしば黙認されている。
グールは主にうめき声を上げたり、物を叩いたりして大きな音を立てる。危険な生物ではないが、その騒々しさから一種の厄介者と見なされることもある。しかし、ウィーズリー家のように、一種のペットや騒がしい同居人のように捉え、家に棲みつかせている家族も存在する。 魔法省には「グール機動隊 (Ghoul Task Force)」という部署が存在し、マグルの住居にグールが現れた際に駆除する任務を担っている。これは、グールが魔法界の存在をマグルに露見させるリスクがあるためである。また、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、パーシー・ウィーズリーがO.W.L.試験の科目として「グール学」について言及しており、ホグワーツ魔法魔術学校で学問の対象となっていることが示唆されている。
「グール」という名前は、アラビア神話に登場する、砂漠に住む邪悪なジン(悪霊)の一種「グール」(アラビア語: غول, ghūl)に由来する。神話におけるグールは、旅人を襲って喰らう恐ろしい怪物として描かれるが、『ハリー・ポッター』の世界のグールは、それよりもはるかに無害で臆病な生物として設定されている。