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サラザール・スリザリンの杖

基本情報

記述と外観

サラザール・スリザリン自身によって作られた、非常に古い歴史を持つ。杖木には蛇木 (スネークウッド)が、芯材には蛇怪の一種であるバジリスクの角のかけらが使用されている。(Pottermore) この杖は、スリザリンの死後、彼の子孫であるゴーンと家に代々受け継がれていった。

魔法の特性と用途

この杖の最も顕著な特徴は、パーセルタングに反応する能力である。パーセルマウスが特定の命令を出すことで、杖を「眠らせ」(機能を停止させ)、再び「目覚めさせる」ことができた。この特性は、所有者であるパーセルマウスが意図しない他者による使用を防ぐための、強力な安全装置として機能した。(Pottermore) また、ホグワーツ魔法魔術学校の創設者の一人が製作した杖であるため、極めて強力な魔力を秘めていると考えられる。その力は、所有者であったイゾルト・セイヤーが北アメリカで生き延び、後にイルヴァーモーニー魔法魔術学校を創設する上で大きな助けとなった。

歴史

この杖は10世紀にサラザール・スリザリンによって作られ、彼がホグワーツ魔法魔術学校を去った後も所有し続けた。彼の死後、杖はイギリスに残った彼の子孫、すなわちゴーンと家によって密かに継承された。 17世紀初頭、純血主義の狂信者であったゴームレイス・ゴーントがこの杖を所有していた。しかし、彼女の姪であるイゾルト・セイヤーは、叔母からの虐待を逃れるためにこの杖を盗み、メイフラワー号に乗って新大陸(後のアメリカ)へと渡った。(Pottermore) アメリカで、イゾルトはこの杖を使い続け、マグル(ノー・マジ)のジェームズ・スチュワードと結婚し、養子たちと共に暮らし始めた。しかし、復讐に燃えるゴームレイスが彼らを追ってアメリカに現れる。ゴームレイスはパーセルタングで遠くから杖に「眠れ」と命令し、イゾルトの杖を無力化させた。ゴームレイスが敗れた後、イゾルトとジェームズは、この杖がスリザリンとの暗い過去を思い出させることから、再び使用することをためらった。しかし、破壊することもできず、夫妻は杖をイルヴァーモーニー魔法魔術学校の敷地に埋めた。(Pottermore) 驚くべきことに、杖が埋められた場所からは未知の種類の蛇木の木が育ち始めた。数年のうちにそれは大木となり、その葉は強力な治癒特性を持つことが判明した。この木は、杖が二度と誰にも所有されることなく、その魔法の力を学校とその生徒たちのために使い続けることを象徴している。(Pottermore)

物語における役割

この杖は、J.K.ローリングによる『ハリー・ポッター』シリーズの原作小説7作には一切登場しない。 その存在と歴史は、ウェブサイト「Pottermore」で語られたイルヴァーモーニー魔法魔術学校の創設神話において中心的な役割を果たす。この杖は、ホグワーツ魔法魔術学校の創設者とアメリカの主要な魔法学校の創設者を直接結びつける、重要なアーティファクトである。また、スリザリンの子孫であるゴーンと家ヴォルデモート卿の血筋を、アメリカの魔法社会の起源へと結びつける象徴的なアイテムとなっている。

舞台裏情報

サラザール・スリザリンの杖に関するすべての情報は、J.K.ローリングがウェブサイト「Pottermore」(現在の「Wizarding World」)で公開した短編『イルヴァーモーニー魔法魔術学校』(Ilvermorny School of Witchcraft and Wizardry) に由来する。この物語は、『ファンタスティック・ビースト』シリーズの公開に合わせて、ハリー・ポッターの世界観を北米に拡大するために執筆された背景がある。