ビーラ (Veela)
概要
外見と性質
ビーラは二つの全く異なる姿を持ちます。
性質としては非常に気位が高く、感情の起伏が激しいとされています。侮辱されたと感じると、即座に怒りを爆発させます。
魔法能力と特徴
魅了の魔法: ビーラの最も特筆すべき能力は、その歌と踊りを通じて男性を強力に魅了する魔法です。この魔法にかかった者は理性を失い、ビーラの気を引こうと突拍子もない行動を取ってしまいます。
変身能力: 上記の通り、感情の昂りに応じて美しい女性の姿から恐ろしい鳥の姿へ、またその逆へと自在に変身することができます。
炎の生成: 怒った際には、手の中に火の玉を生成し、武器として投げつける能力を持っています。
ビーラの髪: ビーラの髪は、
杖の芯として使用されることがあります。
ギャリック・オリバンダーによれば、ビーラの髪を芯にした杖は非常に「気まぐれ」な性質を持つとされています。
フラー・デラクールの杖の芯は、彼女の祖母であるビーラから与えられた髪の毛でした。
物語における役割
クィディッチ・ワールドカップ: 1994年に開催されたワールドカップ決勝戦で、ブルガリア代表チームのマスコットとして登場しました。試合前のパフォーマンスで観客を魅了しましたが、アイルランド代表のマスコットである
レプラコーンの挑発に激怒し、乱闘騒ぎを起こしました。
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関連種・混血
ビーラは人間との間に子をなすことができます。その子孫は「半ビーラ (Part-Veela)」と呼ばれ、ビーラの血の濃さに応じてその特徴を部分的に受け継ぎます。
フラー・デラクール: 彼女の母方の祖母が純血のビーラであり、フラーは4分の1ビーラです。彼女は完全な変身能力は持っていませんが、人々を惹きつける強い魅力と、怒った時に現れる気性の激しさを受け継いでいます。
ビル・ウィーズリーが
フェンリール・グレイバックに襲われた後、彼女が示した激しい情熱と愛情は、彼女のビーラの血統を強く示唆するものでした。
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名前の由来と神話
「ビーラ (Veela)」という名前は、スラブ神話に登場する精霊「ヴィラ (Vila)」に由来すると考えられています。神話におけるヴィラは、山や森に住む美しく若い女性の姿をした精霊で、歌や踊りで人を魅了する力を持つとされています。彼女たちは人間に対して友好的な場合もあれば、怒らせると恐ろしい力で罰を与えるという二面性を持っており、J.K. ローリングが描いたビーラの性質と酷似しています。
舞台裏情報
映画版『
ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、ビーラが怒りで変身する際、原作の「鳥の頭と鱗の翼」という描写とは異なり、より猛禽類のような顔つきになり、全身が炎に包まれてハーピーのような姿になるように描かれています。(映画設定)