マートラップの抽出液は、黄色がかった液体です。この液体の中には、魔法生物であるマートラップの背中に生えている触手のような突起物を酢漬けにしたものが入っています。使用する際には、この液体に患部を浸すか、直接傷口に注いで使用します。
この抽出液の主な魔法的特性は、鎮痛と治癒促進です。主に切り傷や咬み傷の治療に用いられ、痛みを和らげ、傷の回復を早める効果があります。 その効果は非常に高く、ドローレス・アンブリッジが罰則で使用させた、自身の血で文字を書かせるブラック・クイルによって負ったハリー・ポッターの手の甲の深い切り傷の痛みを、即座に和らげました。また、闇の魔術に関連する傷にも一定の効果を示します。ナギニに咬まれたハリー・ポッターの腕の傷に対し、ハーマイオニー・グレンジャーが応急処置として使用し、治癒を助けました。
マートラップの抽出液は、特定の歴史的ないきさつを持つユニークなアイテムではなく、魔法界で広く使われている一般的な治療薬です。その起源は、マートラップという魔法生物の持つ治癒特性の発見に遡ります。魔法薬の調合師や薬屋によって製造され、多くの魔法使い家庭の救急用品として常備されています。
マートラップの抽出液は、物語において重要な治療薬として二度登場し、いずれもハーマイオニー・グレンジャーの用意周到さと友人への深い思いやりを象徴するアイテムとして機能しました。