首無し狩り (The Headless Hunt) は、首を完全に切断された幽霊たちによって構成される、由緒あるクラブ組織である。メンバーは幽霊馬に乗り、自分たちの首を小脇に抱えながら田園地帯を駆け巡ったり、「首ホッケー」や「首ポロ」といった独自のスポーツに興じたりする。 この組織のリーダーは、パトリック・デラニー=ポドモア卿が務めている。彼らはその排他的な入会条件を非常に重んじており、ホグワーツ魔法魔術学校のグリフィンドール寮付き幽霊であるほとんど首無しニックの入会を一貫して拒絶していることで知られる。
首無し狩りへの入会を許されるための唯一かつ絶対の条件は、候補者の首が胴体から完全に分離していることである。ほとんど首無しニックの場合、彼の首は「半インチほどの皮と腱」でかろうじて繋がっているため、この厳格な基準を満たしておらず、入会申請は長年にわたり却下され続けている。
彼らの活動は、その名の通り「狩り」を模した集団行動が中心である。
首無し狩りは、主に『ハリー・ポッターと秘密の部屋』において、ほとんど首無しニックに関連する重要な小道具として登場する。 物語の中で、ニックは自身の500回目の「絶命日」を記念するパーティーを計画するが、その直前にパトリック・デラニー=ポドモア卿から受け取った手紙によって、再び首無し狩りへの入会を拒否されたことを知る。この出来事に深く傷ついたニックを慰めるため、ハリー・ポッターはロン・ウィーズリーとハーマイオニー・グレンジャーと共に絶命日パーティーへの出席を約束する。 このパーティーに出席したことで、三人はハロウィーンの晩餐会に遅れてしまう。そして、パーティー会場からグリフィンドール塔へ戻る途中、彼らは石にされたミセス・ノリスと「秘密の部屋は開かれたり。継承者の敵よ、気をつけよ」という血文字のメッセージを最初に発見することになり、物語の核心となる事件が幕を開ける。