ピンクの傘

ルビウス・ハグリッドが常に携帯している、大きくて少し古びたピンク色の傘。一見するとただのマグルの傘だが、その内部には彼がホグワーツ魔法魔術学校を退学になった際に折られた魔杖の破片が隠されている。

この傘は、公式には魔法の使用を禁じられているハグリッドが、秘密裏に魔法を行使するための道具として機能する。

  • 魔法の行使: ハグリッドはこの傘を使って様々な魔法を使用した。しかし、元の杖が壊れているためか、その効果はしばしば不完全であったり、意図しない結果を招いたりすることがある。
  • 主な使用例:
    1. ダーズリー家で、ダドリー・ダーズリーの尻に豚の尻尾を生やす。
    2. 海の上の小屋で、暖炉に火を点ける。
    3. ハリー・ポッターを小屋から連れ出す際に、ボートを魔法で推進させる。
    4. 巨大カボチャを育てる手伝いをする。

ハグリッドの元の魔杖は、オーク製、長さ16インチ、かなりしなやかなものだった。彼が3年生の時、トム・マールヴォロ・リドルの策略によって秘密の部屋を開いた犯人に仕立て上げられ、ホグワーツを退学処分となった。その際に魔法省によって彼の杖は二つに折られた。 アルバス・ダンブルドアハグリッドの無実を信じており、彼が禁じられた森の番人としてホグワーツに残れるよう取り計らった。この傘は、ダンブルドアが折れた杖の破片を修理し、傘の中に隠してハグリッドが使い続けられるようにしたものであると強く示唆されている。

この傘は、ハグリッドの魔法使いとしての一面と、彼が受けた不当な処分の両方を象徴する重要なアイテムである。ハリー・ポッター(と読者)が初めて目にする魔法の一つがこの傘から放たれており、物語の序盤で魔法の世界のルール(杖の重要性や、退学処分の厳しさ)を暗示する役割も果たしている。また、その不完全な魔法はハグリッドの豪快で少し不器用な性格を反映しているともいえる。

  • 原作小説では、傘の内部にある杖の芯の材質については言及されていない。
  • 映画版では、このピンクの傘はハグリッドを象徴する小道具として一貫して登場し、彼のキャラクターデザインの重要な一部となっている。(映画設定)