ライカンスローピー
概要
ライカンスローピー (Lycanthropy),日本語では一般に「人狼化」と訳される、魔法界における非常に深刻な病状または呪いである。この状態に陥った魔法使いや人間は、毎月満月の夜になると、本人の意思とは無関係に、理性を失った凶暴な狼人間 (Werewolf) へと強制的に変身させられる。 変身した狼人間は、自身の人間としての記憶や理性を完全に失い、近くにいる人間を優先的に襲う極めて危険な存在となる。この状態は治療不可能とされており、魔法社会では深刻な偏見と差別の対象となっている。
原因と伝染
ライカンスローピーは、すでに変身状態にある狼人間に噛まれ、その唾液が犠牲者の血に混入することによってのみ伝染する。これは不可逆的な感染であり、一度感染すると生涯にわたって影響が続く。
- 遺伝の否定: ライカンスローピーは遺伝しない。リーマス・ルーピンとニンファドーラ・トンクスの息子であるテディ・ルーピンは、父親からライカンスローピーを受け継がず、母親のメタモルフォまぐすの能力のみを受け継いだ。
症状と変身
ライカンスローピーの最も顕著な症状は、満月の夜に起こる物理的な変身である。
- 変身: 変身の過程は極めて苦痛を伴う。患者は人間としての理性を失い、純粋な狼人間となる。その姿は本物の狼と酷似しているが、鼻先がやや短く、瞳孔が人間的であるなど、微妙な差異が存在する。
治療法と対策
ライカンスローピーを完全に治癒させる方法は、現在知られていない。しかし、その症状を緩和させるための非常に高度な魔法薬が存在する。
魔法社会における地位
著名な罹患者と関連人物
- シラス・クランプ: 18世紀の魔法使いで、ライカンスローピーに罹患している。(Pottermore)