ルーマニア・ロングホーン種
基本情報
* タイプ (Type): ドラゴン * 所有者 (Owners): なし(野生種だが、ルーマニアが主要な生息地であり、国際的なドラゴン研究・保護区の中心となっている) * 制作者 (Maker): なし(自然種)
記述と外見
ルーマニア・ロングホーン種は、その名の通り長くきらめく金色の角と、深緑色の鱗を持つことで知られる大型のドラゴンである。その角は非常に価値が高く、過去には乱獲の対象となった歴史を持つ。 攻撃の際には、まずその長大な角で獲物を串刺しにし、その後、強力な炎を噴射して焼き尽くすという習性を持つ。この方法は他の多くのドラゴン種とは一線を画す特徴である。
魔法的な特性と用途
このドラゴンの最も重要な特徴はその金色の角である。粉末に加工された角は、魔法薬の材料として極めて高く評価されている。その価値の高さから、魔法省によって「クラスB:取引可能物質」に指定されているが、厳格な管理下に置かれている。 角を目的とした密猟が横行した結果、本種は絶滅の危機に瀕した。この事態を受け、その生息地であるルーマニアには世界で最も重要なドラゴンの聖域(保護区)が設立されることとなった。この保護活動は、チャーリー・ウィーズリーのようなドラゴン学者たちの尽力によって支えられている。
来歴と作中での言及
ルーマニア・ロングホーン種に関する主要な情報は、ニュート・スキャマンダーの著書『幻の動物とその生息地』に記載されている。同書によれば、角の取引市場のために乱獲が進み、その個体数は著しく減少した。これに対応するため、国際的な魔法使いの協力のもとで大規模な繁殖プログラムが実施され、ルーマニアの生息地が世界最大のドラゴン聖域となった。 物語本編では、ロン・ウィーズリーの兄であるチャーリー・ウィーズリーがルーマニアでドラゴンの研究をしていることが度々言及されており、彼が扱っているドラゴンの一つがこのロングホーン種であると推測される。しかし、1994年の三校対抗試合における第一の課題で登場した4頭のドラゴンの中に、本種は含まれていなかった。
物語における役割
ルーマニア・ロングホーン種は、物語のプロットに直接登場するわけではないが、魔法界の生態系、経済(魔法薬材料の取引)、そして自然保護の概念を示す上で重要な役割を果たしている。 特に、チャーリー・ウィーズリーというキャラクターの背景を具体的にし、彼がドラゴン研究の専門家であることを裏付けている。彼がホグワーツで孵化したノーバートを安全にルーマニアへ移送できたのも、この聖域と彼の専門知識があったからである。この設定は、魔法界の広がりと奥深さを読者に伝えるための重要な要素となっている。