ドラゴン聖域 (Dragon Sanctuary)
基本情報
- タイプ (Type): ドラゴン保護区、研究施設
- 場所 (Location): ルーマニア (最も有名な聖域)。世界各地に存在するとされる。
記述と歴史
ドラゴン聖域は、国際魔法使い機密保持法に基づき、ドラゴンをマグルの目から隠し、同時に人間をドラゴンの脅威から守るために設立された、厳重に管理された保護区です。世界で最も有名で規模が大きいのはルーマニアにあり、ウィーズリー家の次男であるチャーリー・ウィーズリーが卒業後に就職した場所として知られています。 この施設では、ドラゴンの生態研究、繁殖プログラム、そして杖の芯などに使われるドラゴンの心臓の琴線といった魔法素材の収集が合法的に行われています。聖域は、危険で巨大な魔法生物を安全に管理するための、国際的な魔法界の取り組みを象徴する場所です。 聖域の存在が物語で初めて言及されたのは、ルビウス・ハグリッドが違法に孵化させたノルウェー・リッジバック種のドラゴン、ノーバート (後のノーベルタ) の処遇を巡る出来事でした。ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーの助けにより、ノーバートはホグワーツ城の天文台の塔からチャーリー・ウィーズリーの友人たちに引き渡され、無事にルーマニアの聖域へと移送されました。 また、1994年の三大魔法学校対抗試合では、第一の課題のために4頭のドラゴン(ハンガリー・ホーンテール種、中国火の玉種、スウェーデン・ショートスナウト種、ウェールズ・グリーン普通種)が、チャーリーを含むドラゴンキーパーたちの監督のもと、ルーマニアの聖域からホグワーツへ運ばれました。
物語における役割
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』: 物語の序盤において、魔法界の広がりと、ホグワーツの外にも専門的な魔法の職業や組織が存在することを示す重要な役割を果たしました。ノーバートの問題を解決するための安全かつ合法的な手段として登場し、チャーリー・ウィーズリーというキャラクターの背景を確立しました。
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』: 三大魔法学校対抗試合の最初の難関である第一の課題のドラゴンたちの供給源として、物語に直接的な脅威とスペクタクルをもたらしました。チャーリー・ウィーズリーが関与していることで、ハリーが間接的に情報を得るきっかけにもなりました。
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』: 第二次魔法戦争のクライマックスであるホグワーツの戦いにおいて、チャーリー・ウィーズリーは聖域の仲間たちを率いて援軍として駆けつけ、ホラス・スラグホーンが率いるスリザリン生の援軍と共に戦局に貢献しました。これは、ヴォルデモートとの戦いがイギリス国内に留まらない、国際的な連帯によって支えられていたことを示唆しています。
既知のエリア
原著小説において、聖域の内部構造や特定の区画に関する詳細な記述はほとんどありません。広大な山脈や谷といった自然環境を利用し、ドラゴンたちが比較的自由に生息できる空間が確保されていると推測されます。
舞台裏情報
- J.K.ローリングの公式サイトであったPottermore (後の Wizarding World) によると、ルーマニアのドラゴン聖域は世界最大であり、世界中の魔法使いが訪れるドラゴン研究の中心地であるとされています (Pottermore)。
- 映画版では聖域そのものが描かれることはありませんでしたが、『ハリー・ポッターと賢者の石』ではノーバートの輸送シーンが、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では聖域から運ばれてきたドラゴンたちがリアルに描写されました。