ノルウェー・リッジバック種

ノルウェー・リッジバック種は、その名の通りノルウェー原産の非常に珍しいドラゴンである。外見はハンガリー・ホーンテール種に似ているが、尾の棘の代わりに、背中に漆黒の際立った隆起があるのが最大の特徴である。

  • : 全身が黒い鱗で覆われている。
  • 体格: 孵化したばかりの幼体は、ごつごつした黒い傘のように見える。ジェットブラックの痩せた体に不釣り合いなほど大きな、とげとげした翼を持つ。鼻の穴が大きい長い鼻面、角の突起、そしてオレンジ色のでっぱった目をしている。
  • : 牙には強力な毒がある。
  • : 卵は黒い色をしている。

ノルウェー・リッジバック種は、最も危険なドラゴンの一つとして知られており、その習性は極めて攻撃的である。

  • 火炎放射: 他のどのドラゴンよりも早い時期に火を吹く能力を発達させる。生後わずか1ヶ月から3ヶ月で火を吹くことが可能となる。ハグリッドが孵したノーバートも、くしゃみと共に火花を散らしていた。
  • : 牙には毒があり、噛まれると傷は急速に腫れ上がり、緑がかった色に変色する。ロン・ウィーズリーノーバートに噛まれ、この症状を呈した。
  • 攻撃性: 同種のドラゴンに対しても非常に攻撃的であるため、生息域が広範囲に及ぶことは稀である。特にメスはオスよりも凶暴であるとされる。
  • 食性: 主に大型の哺乳類を捕食するが、ドラゴンには珍しく水生の生物を食べることも知られている。(『幻の動物とその生息地』)

ノルウェー・リッジバック種は、魔法省によって最も危険度が高い「XXXXX」に分類されている、取引が禁止された魔法生物である。 1991年、ルビウス・ハグリッドホッグズ・ヘッドのパブでフードをかぶった見知らぬ男(正体はヴォルデモート卿に寄生されたクィリナス・クィレル)との賭けに勝ち、このドラゴンの卵を手に入れた。ハグリッドホグワーツの敷地内にあるハグリッドの小屋で卵を孵化させ、その幼体にノーバートと名付けた。 しかし、ノーバートの存在はドラコ・マルフォイに知られ、またその危険性から飼育は不可能と判断された。ハリー・ポッターロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャーの助けにより、ノーバートルーマニアドラゴンの研究をしているチャーリー・ウィーズリーの元へ無事に引き渡された。

ノルウェー・リッジバック種は、主に『ハリー・ポッターと賢者の石』において重要な役割を果たす。ハグリッドノーバートを違法に飼育した一件は、物語のいくつかの重要な転換点に関わっている。

  • 名前の由来: Norwegian は原産国「ノルウェー」を、Ridgeback は「背中に隆起(ridge)のあるもの」を意味し、その外見的特徴を直接的に表している。
  • 映画版: 映画『ハリー・ポッターと賢者の石』では、CGで描かれたノーバートの姿が原作の記述に沿って忠実に再現されている。