国際魔法使い連盟

国際魔法使い連盟は、世界各国の魔法省に相当する組織を束ねる、魔法界における最高統治機関です。その最も重要かつ根本的な目的は、17世紀に制定された国際魔法使い機密保持法を維持し、魔法界の存在をマグルの世界から秘匿することにあります。 この主要な任務に加え、連盟は国際的な魔法協力の促進、各国間の紛争解決、そして魔法に関する世界共通の基準の策定なども行っています。例えば、大釜の厚さの基準や、危険な魔法生物の国際的な取引に関する規制などがその管轄下にあります。各国の魔法政府は連盟の決定に従う義務がありますが、時には国内の事情を優先して規則を曲げることもあります(例:三大魔法学校対抗試合のためのドラゴンの輸入)。

国際魔法使い連盟は、魔女狩りが激化し、魔法族と非魔法族のコミュニティの分離が不可避となった時代背景を受け、1689年に設立されました。初代の最高魔法官にはフランスの魔法使い、ピエール・ボナコードが就任しました。しかし、彼の就任はトロールの権利擁護を主張したことからリヒテンシュタイン魔法省の代表団から激しい反対を受け、波乱の幕開けとなりました。 連盟が設立されて間もなく、その最も重要な成果である国際魔法使い機密保持法が署名され、1692年に正式に発効しました。この法律の施行により、魔法界はマグル社会から完全に姿を消し、その後の魔法族の歴史を決定づけることになりました。

  • 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』
  • 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
  • 『ハリー・ポッターと死の秘宝』
    • 物語の序盤で、コーネリウス・ファッジがマグル界の首相と対面した際の回想シーンにおいて、三大魔法学校対抗試合のためにドラゴンをイギリスに密輸した際、連盟の規則を「少し曲げた」と語っています。これは、連盟が国際的な権威を持つ一方で、各国の魔法省が独自の判断で行動することもある実態を示しています。
  • 『ファンタスティック・ビースト』シリーズ
    • 映画『ファンタスティック・ビースト』シリーズでは、国際魔法使い連盟がより具体的に描かれています。特に『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』では、最高魔法官の選挙が物語の中心的な要素となり、各国の魔法省大臣が集う様子や、その政治的な駆け引きが詳細に描写されました。(映画設定)