攻撃呪文

攻撃呪文 (Offensive Spells) は、対象に直接的かつ否定的な影響を与えることを主目的とする魔法の総称です。その効果は、対象をわずかに苛立たせる軽いものから、深刻な身体的傷害、精神的支配、さらには死に至らしめるものまで多岐にわたります。これらの呪文は、決闘や戦闘において中心的な役割を果たし、闇の魔術と密接に関連しているものが数多く存在します。

攻撃呪文は、その意図と効果の深刻さに応じて、一般的に以下の三種類に大別されます。

  • 悪戯呪文 (Jinxes): 比較的軽度な闇の魔術と見なされ、対象に不便や苛立ち、軽い身体的影響を与えることを目的とします。多くはユーモアや悪戯のために使われますが、決闘で相手の動きを封じるためにも利用されます。
  • 呪い (Hexes): 悪戯呪文よりも深刻で、より強い闇の魔術の要素を含みます。対象に不快で目に見える変化(例:体の変形)を引き起こすことが多いですが、通常は永続的な危害や生命の危機をもたらすものではありません。
  • 呪詛 (Curses): 最も危険で悪意に満ちた分類であり、強力な闇の魔術です。対象に深刻な苦痛や傷害、支配、あるいは死をもたらすことを意図しています。この分類には、魔法省によって使用が固く禁じられている許されざる呪文が含まれます。

物語で頻繁に使用されたり、重要な役割を果たしたりした攻撃呪文には、以下のようなものがあります。

  • 気絶・武装解除
    • ステューピファイ (Stupefy): 気絶呪文。決闘において最も一般的に使用される呪文の一つで、対象を意識不明にします。赤い閃光を放ちます。
    • エクスペリアームス (Expelliarmus): 武装解除呪文。対象のを吹き飛ばす呪文で、ハリー・ポッターが好んで使用したため、彼の代名詞的な呪文となりました。
  • 束縛・妨害
  • 傷害・破壊
  • 許されざる呪文 (The Unforgivable Curses)
    • インペリオ (Imperio): 服従の呪文。対象を術者の完全な支配下に置きます。
    • クルーシオ (Crucio): 磔の呪文。対象に耐え難いほどの激痛を与えます。
    • アバダ・ケダブラ (Avada Kedavra): 死の呪い。緑色の閃光を放ち、対象を即死させます。この呪文に対する直接的な防御呪文は存在しません。

攻撃呪文から身を守るためには、様々な防御手段が存在します。

  • 映画版では、呪文の視覚効果が標準化される傾向にあります。例えば、武装解除呪文は常に赤い光で、死の呪いは緑の光で描かれますが、原作では気絶呪文も赤い光を放つため、決闘シーンでは光の色だけでは呪文を特定できない場合があります。(映画設定)