聖マンゴ魔法疾患傷害病院
基本情報
記述と歴史
聖マンゴ魔法疾患傷害病院は、イギリスの魔法使いと魔女たちのための主要な医療機関です。1600年代初頭に、有名な治療師であったマンゴ・ボナムによって設立されました。その目的は、魔法薬の失敗、呪いの暴発、危険な魔法生物との遭遇など、ありとあらゆる魔法関連の病気や怪我を治療することです。 病院の入り口は、マグルの目から巧みに隠されています。正面玄関は、閉鎖され改装中であるかのように見える百貨店「パージ・アンド・ダウズ商会」のショーウィンドウです。中に入るには、ショーウィンドウに飾られているマネキンの一体に話しかける必要があり、そうするとマネキンが頷き、訪問者はガラスを通り抜けてロビーに入ることができます。 院内は清潔でありながらも、常に混沌とした雰囲気が漂っています。受付には魔女が座っており、様々な症状を訴える患者たちが列をなしています。天井からは時折火花が散ったり、遠くから奇妙な音が聞こえてきたりするなど、魔法界の病院ならではの光景が見られます。
物語における役割
聖マンゴ病院は、特に『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で重要な舞台となります。
- アーサー・ウィーズリーの治療:アーサー・ウィーズリーが魔法省でヴォルデモートの蛇であるナギニに襲われた後、この病院に搬送され治療を受けました。ハリー・ポッターはクリスマス休暇中にウィーズリー家の人々と共に彼を見舞い、院内の様子を詳しく知ることになります。
- ギルデロイ・ロックハートとの再会:ハリー一行は院内で、記憶喪失の呪文が逆噴射したことにより永続的な記憶障害を負った元闇の魔術に対する防衛術の教師、ギルデロイ・ロックハートと再会します。彼は依然として自分の名声を忘れられずにいました。
- ロングボトム夫妻の状況判明:最も重要な出来事として、ハリーたちはここでネビル・ロングボトムとその祖母が、ベラトリックス・レストレンジら死喰い人による拷問で心神喪失状態となったフランク・ロングボトムとアリス・ロングボトムを見舞っている場面に遭遇します。この出来事は、ハリーと読者がネビル・ロングボトムの背景を深く理解する上で極めて重要な意味を持ちました。
- その他の患者:神秘部の職員であったブロデリック・ボードも、不完全な服従の呪文の影響で入院していましたが、院内で悪魔の罠によって殺害されました。また、ミネルバ・マクゴナガルも、ドローレス・アンブリッジの部下である魔法省の役人たちから複数の失神呪文を同時に受けた後、治療のためにこの病院へ送られました。
既知の区域
聖マンゴ病院は階ごとに専門病棟が分かれています。
- グラウンドフロア (Ground Floor): 魔法道具による傷害 (Artefact Accidents)
- 受付と問い合わせ窓口があります。
- 1階 (First Floor): 魔法生物による傷害 (Creature-Induced Injuries)
- ダイ・ルウェリン病棟:重度の咬み傷 があり、アーサー・ウィーズリーが入院していました。
- 2階 (Second Floor): 魔法的伝染病 (Magical Bugs)
- 竜痘や姿をくらます病などの患者が収容されています。
- 3階 (Third Floor): 魔法薬・植物中毒 (Potion and Plant Poisoning)
- 魔法薬の調合ミスや有毒植物による中毒患者を治療します。
- 4階 (Fourth Floor): 呪文による傷害 (Spell Damage)
- ヤヌス・シッキー病棟 があり、ギルデロイ・ロックハートやロングボトム夫妻のような、解けない呪いや呪文による後遺症を持つ長期療養患者が入院しています。
- 5階 (Fifth Floor): 見舞客用のティールームと売店 (Visitor's Tearoom and Hospital Shop)
幕後情報
- 創設者である「マンゴ・ボナム (Mungo Bonham)」の名前は、スコットランドの都市グラスゴーの守護聖人である聖マンゴー (Saint Mungo) に由来している可能性があります。(Pottermore)
- J.K. ローリングは Pottermore サイトで、聖マンゴ病院の設立に関するより詳細な背景情報や、院内の様々な病棟について追加の情報を提供しています。(Pottermore)