アクロマンチュラの毒
基本情報
- 種類 (Type): ポーション材料、クラスC取引禁止物質
- 所有者 (Owners): ホラス・スラグホーン、ハリー・ポッター (一時的)
説明と外見
アクロマンチュラとして知られる巨大な魔法蜘蛛が生成する、極めて強力な毒液。原著においてその色や粘性といった具体的な外見に関する詳細な描写はないが、その致死性は非常に高く、アクロマンチュラが獲物を仕留めるために使用する。 この毒は魔法薬の材料として極めて希少価値が高く、市場に出回ることはほとんどない。その価値と危険性から、魔法省によってクラスC取引禁止物質に指定されており、所持や売買は厳しく規制されている。
魔法的な特性と用途
アクロマンチュラの毒の最も重要な特性は、価値あるポーションの材料となることである。ホラス・スラグホーンによれば、その価値は「1パイント瓶で100ガリオンは下らない」とされ、魔法薬学の専門家にとっては垂涎の的となる。 原著では、この毒が具体的にどのポーションの調合に使用されるかは明記されていない。しかし、その価格と希少性から、非常に高度で強力な魔法薬の調合に必要とされることが示唆されている。
物語における役割
アクロマンチュラの毒は、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』の物語において、極めて重要な役割を果たす。 長年禁じられた森に棲んでいたアクロマンチュラのアラゴグが老衰で死んだ際、ハリー・ポッターは幸運の液体(フェリックス・フェリシス)の影響下で、ルビウス・ハグリッドを訪ねる。そこで彼はアラゴグの亡骸から、価値ある毒を大量に採取するという機転を見せた。 その後、ハリーはアラゴグの葬儀に参列したホラス・スラグホーンに、採取した毒をプレゼントした。希少なポーション材料に目がないスラグホーンはこの予期せぬ贈り物に大喜びし、ハリーに対する評価と信頼を大きく高めた。この出来事が決定的なきっかけとなり、ハリーはスラグホーンから、トム・リドルが分霊箱について質問した際の、改竄されていない完全な記憶を引き出すことに成功するのである。このように、アクロマンチュラの毒は、ヴォルデモート卿の不死の秘密を解き明かすための重要な鍵を手に入れるための 触媒 として機能した。