イヤーマフ
基本情報
- 所有者: ホグワーツ魔法魔術学校
- 製造者: 不明
説明と外観
ホグワーツ魔法魔術学校の魔法薬学の授業で、音を発する危険な魔法植物を扱う際に使用される保護具。着用者の耳を完全に覆い、外部の音を遮断する機能を持つ。 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』で登場したものは、ふわふわしたピンク色をしていた。外観はマグルが使用する防寒用の耳当てと酷似しているが、魔法生物が発する致命的な音響を完全に無効化する強力な遮音性を持つ点で異なる。
魔法的特性と用途
イヤーマフの唯一にして最も重要な機能は、着用者の聴覚を危険な音から守ることである。 その主な用途は、マンドレイク (別名: マンドラゴラ) の世話、特に植え替え作業時に見られる。成熟したマンドレイクの叫び声は、それを直接聞いた者を死に至らしめる。若い苗の叫び声であっても、数時間にわたって人間を気絶させるほどの威力がある。イヤーマフはこれらの叫び声を完全に遮断し、魔法薬学者や生徒が安全に作業を行うことを可能にする。 作中では、ネビル・ロングボトムがイヤーマフを適切に装着していなかったためにマンドレイクの苗の叫び声を聞いてしまい、気を失っている。これは、この道具が極めて重要であることを示す実例である。
歴史
この道具の具体的な製造史や起源について、原作では語られていない。しかし、マンドレイクのように音響による危険性を持つ魔法植物を扱う魔法薬学の授業においては、古くから標準的な安全装備として用いられてきたと考えられる。
物語における役割
イヤーマフは、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』の物語において重要な役割を果たす。ポモーナ・スプラウト教授が担当する二年生の魔法薬学の授業で初めて登場し、生徒たちはマンドレイクの苗を植え替えるためにこれを装着した。 この授業で育てられたマンドレイクは、スリザリンの怪物であるバジリスクによって石にされた人々を治療するためのマンドレイクの回復薬を作るために不可欠であった。したがって、イヤーマフはマンドレイクの安全な育成を可能にし、石化被害者たちを救うという物語の核心的なプロットに間接的に貢献した、極めて重要なアイテムと言える。
舞台裏情報
- 映画版『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、原作の記述に忠実に、大きくふわふわしたイヤーマフが視覚的に描かれている。生徒たちがマンドレイクの甲高い叫び声に顔をしかめる中、イヤーマフがその音を効果的に遮断する様子は、印象的なシーンの一つとなっている。(映画設定)