クランカー

クランカーは、クィディッチの試合で使われていた初期のブラッジャーの一種です。現代のブラッジャーと同様にで作られていますが、より柔らかいという欠点を持っていました。 この材質のため、ビーターがクラブで叩くと表面にへこみが生じやすく、一度へこんでしまうと、まっすぐに飛ばずにジグザグの予測不能な軌道を描いて飛行するようになります。

クランカーにかけられた魔法は、現代のブラッジャーと同じく、フィールド上の選手を無差別に追いかけてから叩き落とすというものです。 しかし、その最大の特徴は、一度打撃を受けると不規則な飛行パターンに変化する点にありました。この予測不能な動きは、相手チームの選手だけでなく、それを打ち返そうとする味方のビーターにとっても制御が極めて困難であり、試合の危険性を著しく増大させる要因となっていました。

クランカーに関する記述は、ケンワージー・ウィスプが著した『クィディッチ今昔』に見られます。これは、現代のより頑丈で洗練されたブラッジャーが開発される以前に使用されていた、原始的なバージョンであったと考えられます。 『クィディッチ今昔』によれば、現代のブラッジャーも同じく製ですが、魔法によって強化されており、クランカーが持っていた「へこみやすい」という欠点は克服されています。これにより、クランカーは歴史的な用具となり、現代の試合では使用されなくなりました。

クランカーは、『ハリー・ポッター』シリーズの小説本編(全7巻)には一切登場しません。 この物品は、魔法界で最も人気のあるスポーツであるクィディッチの歴史と用具の変遷を説明するための背景情報として、公式の補足資料である『クィディッチ今昔』の中でのみ言及されています。

  • 英語の “Klunker” は、古くて性能の悪い、あるいは壊れかけた乗り物や機械を指す俗語です。叩かれるとすぐにへこんでしまうというクランカーの性質を的確に表した名称と言えます。
  • この物品に関するすべての情報は、J.K.ローリングが慈善団体コミックリリーフのために執筆した公式補足本『クィディッチ今昔』が出典です。