ゴブリン連絡室
基本情報
- タイプ: 魔法省の部署
- 責任者: カスバート・モックリッジ (元室長)、ダーク・クレスウェル (元室長)
説明と歴史
ゴブリン連絡室は、魔法省の魔法生物規制管理部に属する一部署です。その主な任務は、歴史的に緊張が絶えない魔法使いとゴブリンという二つの知的な種族間の関係を調整し、仲介することにあります。 ゴブリンは独自の文化、社会、そして魔法を持ち、魔法使いによる支配を断固として拒否してきた歴史があります。過去に幾度となくゴブリンの反乱が起きており、特にゴブリンが製作した物品の所有権(製作者であるゴブリンに永久に帰属するという考え)を巡る見解の相違は、両種族間の根深い不信感の原因となっています。このため、ゴブリン連絡室は、グリンゴッツ魔法銀行の運営に関する問題や、ゴブリン製の魔法道具に関する紛争など、極めて繊細な問題を取り扱う重要な部署であると考えられます。 この部署の職員には、ゴブリンの言語であるゴブリン語に堪能であることが求められるなど、高度な専門知識と外交手腕が必要とされます。
物語における役割
ゴブリン連絡室は物語の主要な舞台として登場することはありませんが、魔法界の複雑な社会構造と政治力学を示す上で重要な背景情報を提供しています。
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、ホラス・スラグホーンがお気に入りの教え子の一人としてダーク・クレスウェルを挙げ、彼がゴブリン語に堪能で、ゴブリン連絡室の室長に出世したことを誇らしげに語ります。これにより、クレスウェルの優秀さが示唆されます。
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』では、マグル生まれであったダーク・クレスウェルがヴォルデモート卿の支配下となった魔法省から追われる身となり、最終的に殺害されます。これは、ヴォルデモート政権下では、魔法省の高官であっても出自によって迫害されるという恐怖政治の実態を浮き彫りにしています。
既知の区域
作中では、ゴブリン連絡室の具体的な内部の様子や構造についての詳細な描写はありません。
舞台裏情報
ゴブリン連絡室の存在は、J.K. ローリングが構築した魔法界が、単なる善と悪の戦いの物語だけでなく、官僚制度、種族間の偏見、歴史的対立といった複雑な社会的テーマを含んでいることを示しています。この部署は、魔法使い中心主義的な社会における「他者」との関係性を象徴する組織の一つと言えます。