ドラゴンの血
基本情報
- 種類 (Type): 魔法薬の材料、魔法物質
- 出所 (Source): ドラゴン
- 主な発見者 (Key Discoverer): アルバス・ダンブルドア(12の用途に関して)
説明と外見
ドラゴンの血は、ドラゴンから採取される極めて強力で多岐にわたる魔法的特性を持つ物質です。原作においてその色や粘性といった具体的な物理的特徴に関する詳細な記述はありませんが、魔法薬学において非常に価値のある高価な材料として扱われています。その希少性と抽出の危険性から、市場に出回る量は限られています。
魔法的な特性と用途
ドラゴンの血の最も著名な点は、アルバス・ダンブルドアによって発見された「12の用途」が存在することです。しかし、その全容は原作では明かされていません。現在までに判明している、あるいは言及された用途は以下の通りです。
- ドラゴンの血の12の用途 (The Twelve Uses of Dragon's Blood): アルバス・ダンブルドアが発見したとされる、ドラゴンの血の12種類の主要な用途。この発見は彼の偉大な功績の一つとして蛙チョコレートのカードにも記されています。
- 既知の用途 (Known Uses):
- オーブンクリーナー (Oven Cleaner): 著者のJ.K. ローリングがインタビューで明かした用途の一つ。(作者インタビュー)
- 染み抜き剤 (Spot Remover): 映画『ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生』の中で、アルバス・ダンブルドアがこの用途に言及しています。(映画設定)
- 傷薬 (Wound Treatment): ルビウス・ハグリッドが、弟のグロウプにつけられた傷の手当てにドラゴンの血に浸したステーキを試しましたが、あまり効果はなかったと語っています。これは民間療法的な使い方である可能性があります。
- 魔法薬の材料 (Potion Ingredient): ホラス・スラグホーン教授の薬品棚に保管されており、非常に価値のある材料であることが示唆されています。また、ビデオゲーム『ワンダーブック:魔法薬学』では、生ける屍の水薬の材料として使用されています。(ゲーム設定)
歴史
近代魔法史において、ドラゴンの血の体系的な研究と利用法を確立したのはアルバス・ダンブルドアです。彼は高名な錬金術師であるニコラス・フラメルとの共同研究を通じて、ドラゴンの血が持つ12の異なる魔法的用途を発見しました。この画期的な発見は魔法界に大きな影響を与え、ダンブルドアの名声を不動のものにしました。この功績は、彼の死後に出版されたリータ・スキーターの著書『アルバス・ダンブルドア、その生涯と嘘』でも、彼の輝かしい経歴の一部として(ただし皮肉を込めて)言及されています。
物語における役割
ドラゴンの血は、物語の中で直接的な役割を果たすことは少ないものの、魔法界の奥深さや特定のキャラクターの背景を示すための重要な要素として機能します。
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』: ホラス・スラグホーンが貴重な材料として所持している場面や、ルビウス・ハグリッドが手当てに使ったという会話から、魔法界におけるその価値と一般的な認識が描かれています。
舞台裏情報
- J.K. ローリングは、ドラゴンの血の12の用途を全て考案しているわけではないと公言しています。「オーブンクリーナー」という極めて平凡な用途を明かしたことについて、彼女は魔法使いの世界にも我々の世界と同じようなありふれた問題が存在するというユーモアを示したものだと説明しています。(作者インタビュー)