龍革の手袋

• タイプ: 防護具、魔法の衣類
• 所有者: ホグワーツ魔法魔術学校の生徒、ホラス・スラグホーン、その他多くの魔法使いや魔女
• 製造者: 不明

ドラゴンの革から作られた、非常に頑丈な手袋。ドラゴンの革は、魔法的な耐性が極めて高いことで知られており、ほとんどの呪文を弾き返すほどの強度を持つ。そのため、手袋は厚手で耐久性に優れている。 原作では特定の色やデザインについての詳細な記述はないが、その用途から実用本位の作りであると推測される。

龍革の手袋の最も重要な特性は、その強力な防護能力にある。

• 物理的・魔法的防御: ドラゴンの革は、鋭い棘や牙、腐食性の液体といった物理的な危険から着用者の手を保護する。また、多くの初歩的な呪いや呪文に対して高い耐性を持つ。
• 薬草学での使用: ホグワーツでは、薬草学の授業で必須の装備品とされている。マンドレイクの植え替えや、毒触手草 (Venomous Tentacula) のような危険な魔法植物を扱う際に、生徒の安全を確保するために使用される。
• 魔法生物飼育学での使用: 危険な魔法生物を扱う際にも有用であると考えられる。ルビウス・ハグリッドのような人物が日常的に使用している可能性が高い。
• 決闘や戦闘: 魔法省の役人が防護服として龍革のマントを着用していたことから、手袋もまた決闘の際に手を守るための装備として機能しうることが示唆される。

龍革の手袋そのものの具体的な製造史は不明である。しかし、ドラゴンの革は古くから魔法界で最も価値があり、強力な防護素材の一つとして利用されてきた。 ハリー・ポッターがホグワーツに入学した際の指定教科書リストに既に含まれており、少なくとも現代の魔法教育においては標準的な装備品であることがわかる。

龍革の手袋は、物語の筋を大きく動かす魔法のアイテムではないが、魔法界の日常や学習における危険性を読者に示す重要な世界観構築の要素である。

• 『ハリー・ポッターと賢者の石』では、ハリーの最初の買い物リストに登場し、魔法界での学校生活がマグルのそれとは異なることを印象付けた。
• 『ハリー・ポッターと秘密の部屋』では、ポモーナ・スプラウト教授の薬草学の授業で、マンドレイクを植え替える際に生徒たちが着用した。
• 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』では、ホラス・スラグホーンが温室で毒触手草の葉を収穫する際にこの手袋を着用していた。この手袋は、スラグホーンの用心深い性格と、彼が扱う材料の危険性を示している。

映画版においても、薬草学のシーンなどで、原作の記述に忠実な、頑丈で実用的な革手袋として描かれている。（映画設定） ドラゴンの革が非常に強力な防護素材であるという設定は、『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』など、後の関連作品でも一貫して描かれている。