ハーピー

ハーピー (Harpy) は、ギリシャ神話に由来する魔法生物で、女性の頭と胴体、そして鳥の翼と鉤爪を持つ姿で知られています。ハリー・ポッターの物語本編において生きた個体は登場しませんが、その存在は魔法界の文化の中に深く根付いており、クィディッチチームの名称や比喩表現として複数回言及されます。

• 分類 (Classification): 魔法省 (M.O.M.) による公式な分類は不明です。『幻の動物とその生息地』には記載されていません。
• 原産地 (Native Region): ギリシャ（神話に基づく）
• 外見的特徴 (Physical Characteristics): 一般的に、女性の顔と胴体、鳥の翼、脚、そして鋭い鉤爪を持つ半人半鳥の姿とされています。

ハーピーは、直接的な登場はないものの、以下の形でその存在が確認されています。

• クィディッチチームのマスコット:
  • ウェールズの有名なクィディッチチーム、ホリヘッド・ハーピーズ (Holyhead Harpies) は、その名称とエンブレムにハーピーを用いています。このチームは全員が女性選手で構成されていることで知られており、エンブレムには金色の鉤爪を持つハーピーが描かれています。
• 建築と装飾:
  • ホグワーツ城の校長室の入り口を守る石のガーゴイルは、ハーピーの姿をしているとされています（Pottermore）。このガーゴイルは、正しい合言葉を告げられると脇へ飛びのき、螺旋階段への道を開きます。
• 比喩表現としての使用:
  • 魔法界の日常会話において、「ハーピー」は口やかましく意地悪な女性を指す侮辱的な言葉として使われることがあります。作中では以下の人物がこの言葉で呼ばれました。
    • ワルブルガ・ブラック: ブラック家の屋敷に飾られている彼女の肖像画は、侵入者に対して金切り声を上げて罵倒するため、ウィーズリー家の子供たちから「古いハーピー」と呼ばれていました。
    • ミュリエル・プルウェット: ビル・ウィーズリーとフラー・デラクールの結婚式に出席した際、その辛辣な物言いからハリーに「あの悍ましい年寄りのハーピー」と評されました。

ハーピーの起源はギリシャ神話にあります。神話において彼女たちは、神々の罰を執行する存在、あるいは食料を略奪する貪欲な怪物として描かれました。「ハーピー」という名前は、ギリシャ語の「ハルピュイア (Ἅρπυια)」に由来し、「かすめ盗る者」や「強奪する者」を意味します。この神話上のイメージが、魔法界における比喩的な用法にも影響を与えています。