バタービール
基本情報
- 英語名 (English Name): Butterbeer
- 種類 (Type): 魔法飲料
- 特徴 (Characteristics): バタースカッチに似た甘い風味、体を温める効果、ごく微量のアルコール分
説明と外観
バタービールは、魔法界で最も広く親しまれている飲み物の一つです。特にホグワーツの生徒たちにとっては、ホグズミードへの週末旅行の際の楽しみの定番として描かれています。 原作では、冷たい瓶入りのものと、熱く泡立つジョッキで提供されるものの二種類が存在します。特に寒い日に飲む熱いバタービールは、体を芯から温める効果があるとされています。その味については、「少し甘みを抑えたバタースカッチのよう」と形容されますが、これは作者のコメントに基づくものです(詳細は幕後情報を参照)。
魔法的特性と用途
バタービールは主に社交の場で楽しまれる一般的な飲料であり、特殊な魔法的効果を持つわけではありません。しかし、その含有アルコールには種族によって異なる影響が見られます。
- 人間への影響: 人間(魔法使いや魔女)にとってはアルコール分は極めて微量であり、未成年の生徒たちが飲んでも問題ないとされています。
物語における役割
バタービールは、物語の背景を豊かにする世界観の構築要素であると同時に、数々の重要な場面で登場し、物語の進行に寄与しました。
- 『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』: ハリー・ポッターが透明マントを被って三本の箒に忍び込み、初めてバタービールを味わいます。この時、彼は魔法大臣コーネリウス・ファッジや教授たちの会話から、シリウス・ブラックが自分の両親を裏切ったと信じられている事実を盗み聞きします。
- 『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』: ウィンキーがバタービールで酩酊する姿は、ハーマイオニー・グレンジャーに屋敷しもべ妖精の権利と福祉について深く考えさせ、彼女が「屋敷しもべ妖精解放戦線 (S.P.E.W.)」の活動にさらに熱を入れるきっかけとなりました。
- 『ハリー・ポッターと死の秘宝』: ビル・ウィーズリーとフラー・デラクールの結婚式で平和の象徴として振る舞われたほか、ホグズミードに潜入したハリーたちがアバーフォース・ダンブルドアが営むホッグズ・ヘッドで注文し、過酷な逃亡生活の中で束の間の安らぎを得るシーンで登場します。
幕後情報
- 原作者J.K.ローリングは、インタビューでバタービールの味を「私が想像する、少し甘みを抑えたバタースカッチのようなもの」と語っています。(作者インタビュー)
- この飲み物の着想は、16世紀のテューダー朝時代のイギリスに実在した「バタード・ビア (Buttered beere)」から得られた可能性があります。これは、ビールを温め、砂糖、卵黄、ナツメグ、クローブ、そしてバターを加えて作られた飲み物でした。
- ユニバーサル・スタジオのテーマパーク「ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター」では、ノンアルコールのバタービールが名物として販売されています。冷たいタイプ、フローズンタイプ、そして冬期にはホットタイプが提供され、現実世界でも作品のファンを中心に絶大な人気を誇っています。(テーマパーク設定)