プロット不可能
呪文基本情報
- 術の名称 (Name): プロット不可能 (Unplottable)
- 呪文 (Incantation): 不明
- 光芒の色 (Light Color): 不明
- 効果 (Effect): 特定の建物や土地を、魔法およびマグルのいかなる地図上にも表示できなくする。
既知の用途と歴史
プロット不可能とは、ある場所を地図上に表記できなくするための、極めて強力で複雑な防御呪文です。この魔法がかけられた場所は、魔法の地図(例:忍びの地図)であろうと、マグルの地図であろうと、完全に空白として表示されるか、そもそも地図作成者の注意を引かないようになります。この呪文は、魔法界の重要な場所をマグルや敵から隠蔽するために不可欠な役割を果たします。 作中では、以下の場所や出来事でこの魔法が使用されていることが言及されています。
- ホグワーツ魔法魔術学校: ハーマイオニー・グレンジャーが言及した最も有名な例の一つです。学校全体が「プロット不可能」であるため、外部の人間が地図上でその正確な位置を特定することはできません。
- 第四百二十二回 クィディッチ・ワールドカップ: 大会期間中、キャンプ場を含む開催地全体にこの魔法がかけられ、何十万もの魔女や魔法使いが集まっているにもかかわらず、マグルに発見されるのを防いでいました。
- グリモールド・プレイス十二番地: 不死鳥の騎士団の本部として使用された際、アルバス・ダンブルドアによって「プロット不可能」にされました。この場所はさらに忠誠の呪文 (Fidelius Charm) によっても保護されており、二重の防衛が施されていました。
この呪文は、場所の秘密を守るための最高レベルの魔法的防衛の一つと見なされています。
学習と対抗策
この呪文をかけるための具体的な学習方法や難易度について、作中では詳述されていません。しかし、ホグワーツや不死鳥の騎士団の本部といった極めて重要な場所にかけられていることから、非常に高度な魔法技術を要する、強力な魔法使いにしか扱えない呪文であることが示唆されます。 「プロット不可能」な状態を直接的に解除する反呪文は知られていません。この魔法によって隠された場所を見つける唯一の方法は、以下の通りです。
- 物理的に案内される: その場所を知る人物に直接連れて行ってもらう。
- 場所を口頭で教えられる: 特に忠誠の呪文と併用されている場合、秘密の守人 (Secret-Keeper) から直接その場所の情報を教えられない限り、たとえ目の前に立っていても認識することはできません。
この呪文は、地図や位置特定の魔法に対するほぼ完璧な対抗策と言えます。
名前の由来
英語の “Unplottable” は、否定を意味する接頭辞 “un-” と、「地図に書き込む、位置を記す」という意味の動詞 “plot” に、可能を意味する接尾辞 “-able” が組み合わさったものです。文字通り「地図にプロット(記入)することが不可能」という意味になります。 日本語の「プロット不可能」は、この英語の意図を忠実に翻訳したものです。
舞台裏情報
この魔法の概念は、マグルの世界の中にダイアゴン横丁やホグワーツのような巨大な魔法社会が、なぜ何世紀にもわたって発見されずに存在し続けられるのか、という問いに対する論理的な説明を提供しています。これは、J.K. ローリングが魔法界の秘密を保持するために設定した、国際魔法使い機密保持法を支える重要な世界観構築の要素です。