ホグワーツ入学許可証

ホグワーツ入学許可証

ホグワーツ入学許可証は、対象となる生徒の11歳の誕生日が近づくと送付される正式な招待状です。 封筒は厚手の黄色味を帯びた羊皮紙で作られており、宛名はエメラルドグリーン色のインクで書かれています。封筒には切手は貼られておらず、裏面にはホグワーツの紋章(ライオン、鷲、穴熊、蛇が大きな「H」の文字を囲んでいるデザイン)が刻印された紫色の封蝋で封がされています。 手紙本体も封筒と同じ羊皮紙とインクで書かれており、内容は以下の通りです。

この手紙の最も顕著な特徴の一つは、その宛名書きの魔法的な正確さです。ハリー・ポッターへの最初の手紙は「プリベット通り四番地、階段下の物置の部屋、ハリー・ポッター殿」と、彼の生活状況を極めて正確に記述していました。

入学許可証の主な用途は、若き魔法使い魔女ホグワーツ魔法魔術学校への入学資格があることを通知し、彼らを魔法界へと正式に招き入れることです。 この手紙には強力な魔法が付与されています。

  • 自動追跡と送達: 手紙は対象者がどこにいようとも、その場所を正確に突き止めて届けられます。ダーズリー一家がハリーを連れて海の上の小屋へ逃げた際にも、手紙はルビウス・ハグリッドによって直接届けられました。受取人が手紙を受け取るまで、その送達は魔法によって執拗に繰り返されます。ハリーが手紙を読めなかった際には、何百通もの手紙がダーズリー家に殺到しました。
  • 自動生成: 手紙の送付プロセスは、二つの古代の魔法の道具によって管理されています。「入学許可の羽ペン」が魔法族の子供の誕生を感知すると、その名前を「許しの書」に自動的に記録します。毎年、副校長がこの書を調べて11歳になる子供たちに許可証を送付します。(Pottermore)

通常、手紙はふくろう便によって配達されますが、マグル生まれの家庭には、魔法界の存在を説明するためにホグワーツの教職員が直接訪問して手渡すのが慣例となっています。

この入学許可証を送付する伝統は、ホグワーツの創設者たちによって「入学許可の羽ペン」と「許しの書」が設置されて以来、何世紀にもわたって続いています。イギリスおよびアイルランドの魔法族の子供たちにとって、この手紙を受け取ることは魔法界の一員となるための重要な通過儀礼と見なされています。 特にマグル生まれの子供たちにとっては、この手紙が魔法界との最初の公式な接触となります。

ホグワーツ入学許可証は、『ハリー・ポッターと賢者の石』における物語の起点となる、極めて重要な魔法アイテムです。

  • 物語の始動: この手紙の到着が、ハリー・ポッターの魔法界での冒険の始まりを告げる合図となります。
  • 希望の象徴: ダーズリー家で虐げられていたハリーにとって、この手紙は苦しい生活からの脱出と、自分が真に属する場所への扉を意味する希望の象徴でした。
  • 魔法の証明: 手紙の執拗かつ魔法的な配達方法は、ハリーと読者に対して魔法が実在することを明確に示す最初の出来事です。
  • 対立の発生: ダーズリー一家がハリーから手紙を隠そうと必死になる様子は、彼らの反魔法的な姿勢を浮き彫りにし、物語序盤の主要な対立を生み出しました。この対立は、最終的にルビウス・ハグリッドの介入によって決着します。
  • 映画版では、ダーズリー家の暖炉から何千通もの入学許可証が滝のように噴出するシーンが描かれ、手紙の魔法的な性質が視覚的に強調されています。これは原作よりもさらに劇的な演出となっています。(映画版)
  • 「入学許可の羽ペン」と「許しの書」に関する詳細な設定は、J.K.ローリングが公式サイト「Pottermore」(現在の「Wizarding World」)で明かした情報です。(Pottermore)