マウンテン・トロール

マウンテン・トロール (Mountain Troll)、和名で「山怪」とも呼ばれる、は大型で極めて危険な魔法生物の一種である。その驚異的な腕力と耐久力で知られる一方、知能が著しく低いことでも有名である。一般的に暴力的で予測不可能な性質を持つ。 『ハリー・ポッターと賢者の石』において、ホグワーツ城に侵入した個体が物語の重要な転換点を作り出し、ハリー・ポッターロン・ウィーズリーハーマイオニー・グレンジャーの三人の友情を決定的にしたことで最もよく知られている。

原著で描写されたマウンテン・トロールは、威圧的で不潔な外見を持つ。

  • 身長: 約12フィート(およそ3.6メートル)に達する巨体。
  • 皮膚: 花崗岩のような鈍い灰色をしており、ごつごつと岩のように隆起している。
  • 体格: 大きな岩のような胴体の上に、不釣り合いなほど小さな禿頭が乗っている。脚は木の幹のように太く短く、足は角質化して平たい。
  • 武器: 巨大な木製のこん棒を携行し、移動時には地面を引きずって歩く。
  • 匂い: 「古い靴下と誰も掃除しない公衆トイレを混ぜ合わせたような」と形容される、強烈で不快な悪臭を放つ。

マウンテン・トロールは、魔法生物の中でも特に知能が低いことで知られている。

  • 知能: 非常に愚鈍であり、複雑な思考はできない。目の前で起こっている出来事の認識や判断に時間がかかる。
  • 行動: 主に本能に基づいて行動し、暴力的で破壊的である。しかし、その単純さゆえに、機転を利かせれば出し抜くことは可能である。
  • コミュニケーション: 意味のある言語は話さず、うなり声や咆哮で感情を表現する。
  • 『ハリー・ポッターと賢者の石』

1991年のハロウィーン、クィリナス・クィレル教授はヴォルデモートの指示のもと、賢者の石を守る三頭犬>フラッフィーを通り抜けるための陽動作戦として、マウンテン・トロールを一体ホグワーツ城の地下牢に侵入させた。クィレルは「トロールだ!地下牢に!」と大広間で叫び、パニックを引き起こして自身は気絶したふりをした。

  しかし、トロールは地下牢ではなく上階へ向かい、偶然にも女子トイレにいた[[ハーマイオニー・グレンジャー]]を追い詰めた。[[ハリー・ポッター]]と[[ロン・ウィーズリー]]は彼女を救出するために駆けつけ、トロールと対峙した。ハリーがトロールの背中に飛び乗って注意を引き、杖を鼻の穴に突き刺すという大胆な行動に出た。その隙に、ロンはハーマイオニーから教わったばかりの[[浮遊呪文]]、[[ウィンガーディアム・レヴィオーサ]]を使い、トロール自身のこん棒を浮かせ、その頭上に落として気絶させることに成功した。この共同での勝利が、三人の間に揺るぎない友情を築くきっかけとなった。
* **その他の言及**
  マウンテン・トロールは、その強靭さから闇の魔法使いによって警備員として利用されることがある。[[第二次魔法戦争]]における[[ホグワーツの戦い]]では、[[ヴォルデモート]]軍の一員として戦うトロールたちの姿が描かれている。
  • 1991年にホグワーツに侵入した個体

物語中で最も詳しく描写されたマウンテン・トロール。クィリナス・クィレルによって城内に放たれ、最終的にハリーとロンによって倒された。

  • 映画版『ハリー・ポッターと賢者の石』では、マウンテン・トロールのデザインは原作の描写に非常に忠実に再現されており、その巨大さと脅威が視覚的に強調されている。(映画設定)
  • レゴブロックの「ハリー・ポッター」シリーズでは、このハロウィーンのシーンを再現したセットに、大型のマウンテン・トロールのフィギュアが含まれていることが多い。(商品展開)