モンタギュー

モンタギューは、ホグワーツ魔法魔術学校スリザリン寮に所属していた魔法使いです。彼はスリザリン寮のクィディッチチームでチェイサーを務め、後にはキャプテンにも就任しました。また、ドローレス・アンブリッジが組織した魔法省お抱えの調査団のメンバーでもありました。 彼の物語における最も重要な役割は、フレッド・ウィーズリージョージ・ウィーズリーによって姿をくらますキャビネットに押し込まれた事件です。この偶然の出来事により、彼は対となるキャビネットの存在を身をもって証明し、結果としてドラコ・マルフォイ死喰い人をホグワーツ城内に侵入させる計画の鍵となる情報を提供してしまいました。

モンタギューはハリー・ポッターの在学期間中にホグワーツに通っていました。彼はスリザリンのクィディッチチームで有能なチェイサーとして知られ、グリフィンドールチームとしばしば対戦しました。 ハリーの5年生の時、アンブリッジが「防衛術教授」および「ホグワーツ高等尋問官」に就任すると、モンタギューは彼女が結成した学生組織「調査団」に加わりました。調査団のメンバーとして、彼はアンブリッジの権力を背景に他の生徒たち、特にダンブルドア軍団のメンバーに対して威圧的な態度をとりました。 ある日、彼はフレッドとジョージ・ウィーズリーからグリフィンドール寮の点数を引こうとしましたが、双子によって捕らえられ、1階の廊下に置かれていた壊れた姿をくらますキャビネットに頭から押し込まれてしまいます。その後、彼の姿は完全に消え、数週間にわたって行方不明となりました。最終的に、彼は4階の女子トイレの便器に詰まった状態で発見され、救出されました。 回復後、彼は自分がホグワーツのキャビネットと、ボーギン・アンド・バークスにあるもう一方のキャビネットとの間の不確定な空間(リンボ状態)に閉じ込められていたと語りました。この体験談はドラコ・マルフォイの耳に入り、マルフォイは翌年、この二つのキャビネットを修理・接続することで、ホグワーツの強力な防御網を突破し、死喰い人を城内へ手引きする計画を立てることになります。

  • 外貌: 原作では「がっしりした体格 (heavy build)」と描写されています。これ以外の詳細な外見に関する記述はありません。
  • 性格: 典型的なスリザリン生として描かれており、横暴で意地悪な性格が窺えます。調査団の一員として、自分に与えられた権力を喜んで振りかざし、敵対する寮の生徒を罰することにためらいがありませんでした。
  • クィディッチ: 彼は非常に優れたクィディッチ選手であり、スリザリンチームのチェイサーとして得点能力の高さを示しました。後にはチームのキャプテンに指名されるほどの腕前でした。
  • 姿くらまし (Apparition): モンタギューは、姿をくらますキャビネットの中間領域から脱出するために、必死の思いで姿くらましを試み、成功させました。当時、彼はまだ「姿くらまし」の免許を取得できる年齢ではありませんでした。この魔法は極度の苦痛と集中を要するものであり、彼の試みは不完全だったため、最終的にトイレの配管内という意図しない場所に出現する結果となりました。

「モンタギュー (Montague)」という姓は、ウィリアム・シェイクスピアの有名な悲劇『ロミオとジュリエット』に登場する、キャピュレット家と敵対する一族の名前に由来すると考えられます。これは、ホグワーツにおける寮同士の長年にわたる対立、とりわけグリフィンドールとスリザリンの間の根深いライバル関係を象徴している可能性があります。

  • ファーストネーム: 原作小説内では、彼のファーストネームは一度も言及されていません。しかし、映画『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』のクレジットや関連商品において、「グラハム・モンタギュー (Graham Montague)」という名前が与えられています(映画設定)。
  • 映画版での変更点: 映画版『不死鳥の騎士団』では、モンタギューが姿をくらますキャビネットに押し込まれる経緯が変更されています。フレッドとジョージが直接彼を押し込むのではなく、必要の部屋の外でダンブルドア軍団のメンバーを捕まえようとした際に、何らかの理由で彼がキャビネットに入り込み、姿を消すという描写になっています。