園芸用品

  • タイプ (Type): 薬草学用具
  • 主な使用者 (Main Users): ホグワーツ薬草学教授および生徒、魔法界の園芸家
  • 製造者 (Maker): 多岐にわたるため特定不能

魔法植物を安全に取り扱うために使用される、薬草学に不可欠な道具の総称。多くの魔法植物は、毒性、人を失神させるほどの音、物理的な攻撃性といった危険な性質を持つため、術者を保護するための防具が特に重要となる。一般的なマグルの園芸用品に加え、魔法的な特性を持つ素材で作られた道具も多く存在する。

物語の中で具体的に描写された、あるいは言及された主要な園芸用品は以下の通りである。

  • ドラゴンの皮の手袋 (Dragon-hide Gloves): 丈夫なドラゴンの皮で作られた厚手の手袋。ブボチューバーの膿のように、素手で触れると害を及ぼす可能性のある液体や、毒を持つ植物を扱う際に手を保護するために使用される。
  • 耳あて (Earmuffs): マンドレイクの赤ん坊の泣き声のように、聞く者に気絶や死をもたらす危険な音を発する植物を扱う際に装着する防音具。ポモーナ・スプラウト教授が授業で用意したものは、ピンク色でふかふかしたものだった。
  • 保護メガネ (Goggles): 暴れたり、危険な樹液を飛ばしたりする植物から目を守るために使用される。6年生の薬草学の授業でスナガラフのポッドを扱う際に必要とされた。
  • 移植ごて (Trowel): 植物の植え替えに使用される、薬草学における最も基本的な道具の一つ。
  • ドラゴンの糞 (Dragon Dung): 非常に効果的な肥料として使われる。フレッド・ウィーズリージョージ・ウィーズリーは、これを商品化して販売しようとしていた。
  • 肉食ナメクジ駆除剤 (Flesh-Eating Slug Repellent): 魔法界の庭で一般的な害虫である肉食ナメクジを駆除するための薬剤。

園芸用品は、ホグワーツでの薬草学の授業風景を具体的に描写し、魔法界の日常に潜む危険性を読者に伝える上で重要な役割を果たす。 特に『ハリー・ポッターと秘密の部屋』において、生徒たちが耳あてを装着してマンドレイクを引き抜く場面は象徴的である。このマンドレイクは後に、バジリスクによって石にされた人々を元に戻すマンドレイクの回復薬の材料となり、物語の解決に不可欠な要素となった。 また、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、ハリー・ポッターたちがドラゴンの皮の手袋をはめてブボチューバーの膿を絞る授業があり、魔法植物の危険性とそれを安全に取り扱うための適切な防具の必要性が示されている。

映画版『ハリー・ポッター』シリーズでは、ホグワーツの温室のセットに原作では具体的に言及されていない多種多様な園芸用品が美術として配置されており、魔法界の薬草学の世界観を視覚的に豊かにしている。(映画設定)