血の護り
概要
血の護り (Sacrificial Protection) は、愛を原動力とする、極めて強力かつ古代の魔法である。この魔法は、ある人物が他者を救うために、生きる選択肢があったにもかかわらず自らの命を犠牲にすることで発動する。この自己犠牲の行為によって、守られた者には強力な魔法的防御が与えられる。 物語全体を通じて、この魔法はハリー・ポッターをヴォルデモート卿から守る最も重要な要素であり、ヴォルデモート卿が理解することも打ち破ることもできなかった魔法の根源的な力を象徴している。
魔法の性質と効果
血の護りは、特定の呪文を必要としない、より本質的な魔法の発現である。その性質と効果は多岐にわたる。
- 直接的な接触に対する防御: この護りを受けた者は、その身を犠牲にした攻撃者からの物理的な接触に対して絶対的な防御を得る。攻撃者が守られた者に触れると、耐え難いほどの激痛に襲われ、その肉体は焼かれるように損傷する。この現象は、『ハリー・ポッターと賢者の石』でクィリナス・クィレル教授がハリーに触れた際に明確に描写された。
- 血縁による強化: アルバス・ダンブルドアはリリーの犠牲による護りをさらに強化するため、追加の呪文を施した。これにより、ハリーが母の血を分けた親族(ペチュニア・ダーズリー)の住む家を「自分の家」と呼んでいる限り、その場所はヴォルデモート卿とその部下である死喰い人にとって侵入不可能な聖域となった。この強化された護りは、ハリーが成人(17歳)になるまで有効であった。
物語における役割
この魔法は、ハリー・ポッターの物語の根幹をなし、数々の重要な局面で決定的な役割を果たした。