アメリカ合衆国は、北アメリカ大陸に位置する広大な国であり、イギリスとは異なる独自の発展を遂げた魔法社会が存在します。アメリカの魔法界では、非魔法族のことをマグルではなくノー・マジ (No-Maj, No Magic の略) と呼称します。 歴史的に、アメリカの魔法使いはセーレム魔女裁判などの迫害を経験したことから、非魔法族のノー・マジに対して強い不信感を抱いていました。このため、魔法界の存在を秘匿し、ノー・マジとの交流を厳しく制限するラパポート法が1790年に制定されました。この法律は、魔法族とノー・マジの結婚や交友を禁じるもので、1965年まで効力を持ち続けました (Pottermore)。この厳格な分離政策は、アメリカ魔法社会の大きな特徴となっています。 アメリカの魔法界を統治する機関は、アメリカ合衆国魔法議会、通称 MACUSA (マクーザ) です (ファンタスティック・ビースト)。また、北アメリカ大陸の魔法使いを教育する主要な魔法学校として、マサチューセッツ州のグレイルック山にイルヴァーモーニー魔法魔術学校が存在します (Pottermore)。
『ハリー・ポッター』の原作本編において、アメリカ合衆国が直接の舞台となることはありません。しかし、ハリー・ポッターと炎のゴブレット で開催されたクィディッチ・ワールドカップのキャンプ場に、セーレム魔女協会 (Salem Witches' Institute) からの代表団が滞在している様子が描写されており、アメリカ魔法界の存在が示唆されています。 物語におけるアメリカの重要性は、主に『ハリー・ポッター』シリーズのスピンオフであるファンタスティック・ビーストシリーズで大きく描かれました。このシリーズでは、1920年代のニューヨークが主な舞台となり、ニュート・スキャマンダーがアメリカの魔法社会やアメリカ合衆国魔法議会 (MACUSA) と深く関わっていく様子が描かれています (ファンタスティック・ビースト)。