グリム (The Grim) は、魔法界において死の最悪の前兆とされる、巨大な幽霊犬です。その姿は巨大な黒い犬であり、墓場に出没すると言われています。占い学の教科書である『未来の霧を晴らす』にも、死の前兆として記載されています。 物語においては、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』でハリー・ポッターの運命を暗示する不吉な存在として繰り返し登場します。しかし、ハリーが目撃していたグリムの正体は、実際には彼の名付け親であるシリウス・ブラックが変身した動物もどきの姿であったことが後に判明します。
グリムは、『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の物語全体を通じて、ハリー・ポッターに死が迫っていることを示す象徴として機能します。
「グリム (Grim)」という名前は、イギリス、特にイングランド北部の民間伝承に登場する「チャーチ・グリム (Church Grim)」に由来すると考えられます。チャーチ・グリムは教会の墓地を守る守護霊であり、しばしば大きな黒い犬の姿で現れるとされています。この伝承上の存在もまた、死の前兆と関連付けられることがあり、作中の設定と深く結びついています。