コーンウォールは、グレートブリテン島の南西端に位置するイングランドの一地方です。険しい海岸線と荒涼としたムーア（荒野）で知られ、マグル（非魔法族）の世界では古くから妖精や伝説にまつわる民間伝承が豊富な地域として有名です。 魔法界において、コーンウォールは特にその名を冠した魔法生物、コーンウォールのピクシーの原産地として広く知られています。この青色でいたずら好きな生物がこの地域に土着していることは、魔法生物学の基本的な知識とされています。 また、この地域はプロのクィディッチチームであるファルマス・ファルコンズの本拠地でもあります (Pottermore)。
コーンウォールが物語中で最も明確に言及されるのは、『ハリー・ポッターと秘密の部屋』においてです。ギルデロイ・ロックハートは、自身が担当する最初の闇の魔術に対する防衛術の授業で、「捕まえたての」コーンウォールのピクシーで満たされたカゴを持ち込み、その原産地がコーンウォールであることを説明しました。彼がピクシーを解き放ったことで教室は未曾有の大混乱に陥りました。 また、『ハリー・ポッターと賢者の石』では、ダーズリー一家がホグワーツからの手紙から逃れるために隠れ場所を探していた際、ダドリー・ダーズリーが「コーンウォールみたいな、海の岩の上の小屋」に行くことを提案しました。これは、この地域がマグルにとっても人里離れた辺鄙な場所という印象を持たれていることを示唆しています。
J.K. ローリングがコーンウォールのピクシーの出身地としてコーンウォールを選んだのは、この地域がイギリスの民間伝承、特にピクシーやスプライトといった「小さな人々」の伝説と深く結びついているためと考えられます。この設定は、魔法界のリアリティを補強し、既存の神話体系と物語の世界観を巧みに融合させています。