パックワジ (Pukwudgie) は、ヨーロッパのゴブリンと遠い血縁関係にあるとされる、北アメリカ原産の魔法生物である。(Pottermore) 外見は、身長が2〜3フィート(約60〜90cm)ほどで、人間とは不釣り合いな大きな耳と鼻、そして滑らかな灰色の肌を持つ。彼らは独自の強力な魔法を操り、特に毒を塗った矢を用いて狩りを行うことで知られている。 性格は極めて独立心が強く、ずる賢い。人間全般(魔法使いとノー・マジの両方)を信用しておらず、しばしば人間に厄介な悪戯を仕掛けたり、危険な罠に誘い込んだりする。彼らの魔法は侮れず、非常に危険な存在と見なされている。
パックワジは、アメリカの魔法社会の歴史、特にイルヴァーモーニー魔法魔術学校の設立に深く関わっている。(Pottermore) 17世紀初頭、イルヴァーモーニー魔法魔術学校の創設者の一人であるイゾルト・セイアは、危険な魔法生物ハイドビハインドに襲われていた一体の年老いたパックワジを救った。イゾルトは彼をウィリアム (William) と名付け、助けた恩から、ウィリアムはしぶしぶ彼女とその家族に仕えるようになった。 ウィリアムは、イゾルトと彼女の夫ジェームズ・スチュワードが育てていた養子たちを守り、イゾルトの邪悪な叔母であるゴームレス・ゴーントが学校を襲撃した際には、毒矢で彼女を討ち取り、創設者一家の命を救うという決定的な役割を果たした。この功績により、ウィリアムはイルヴァーモーニー魔法魔術学校に設立された四つの寮のうちの一つに、自らの種族名である「パックワジ」と名付けることを許された。この寮は「戦士」を好み、生物の「心臓」を象徴している。(Pottermore) この逸話は例外的なものであり、一般的にパックワジは依然として人間に対して強い不信感を抱いている。
「パックワジ」という名前は、北米のネイティブ・アメリカンであるワンパノアグ族の伝承に登場する、森に住むトリックスター的な小人に由来する。伝承における彼らも、人間に悪戯をしたり、時には危険を及ぼしたりする存在として描かれている。