ハイドビハインド

  • 種類 (Type): 魔法生物
  • 魔法省分類 (Ministry of Magic Classification): 不明(ただし、極めて危険)
  • 生息地 (Habitat): 北アメリカの森林地帯
  • 特徴 (Key Features): 夜行性、驚異的な隠蔽能力、人間を捕食する

ハイドビハインドは、北アメリカの森に生息する、背が高く痩せ型の夜行性の魔法生物である。銀色の毛に覆われており、その姿は「痩せこけた、銀髪のクマ」のようだと形容される(Pottermore)。 この生物の最も特筆すべき能力は、その名の通り、あらゆる物体の背後に完璧に隠れることができる能力である。木、樽、さらには人間など、自身の体を完全に覆い隠せないような細い物体の後ろにさえ、体を巧みにねじ曲げ、姿を消すことができる。この能力と俊敏性、そして力強さを兼ね備えているため、人間にとって非常に危険な存在である。主に人間を獲物としており、森を訪れた不運な魔法使いノー・マジ(アメリカにおけるマグルの呼称)を捕食することで知られている。

ハイドビハインドは、『ハリー・ポッター』シリーズ原著7巻には登場しない。この生物に関する情報のほとんどは、J.K. ローリングが公式サイト Pottermore で発表した「イルヴァーモーニー魔法魔術学校」の創設史に由来する。 17世紀初頭、イルヴァーモーニー魔法魔術学校の創設者であるイソル・セイヤーは、マサチューセッツ州のグレイルォック山の森でハイドビハインドに遭遇した。この個体は、イソルを追ってきた邪悪な叔母、ゴームレイス・ゴーント闇の魔術を用いて操っており、イソルの居場所を突き止めるための手先として使役されていた。 ハイドビハインドがイソルの養子であるチャドウィックとウェブスター・ブートを襲おうとした際、イソルと友人であったパックワージーのウィリアムが駆けつけた。最終的に、ウィリアムが放った毒矢によってこのハイドビハインドは倒された。この出来事は、イソルとウィリアムの絆を深め、後のイルヴァーモーニー創設における重要な一幕となった。

この生物の名前「Hidebehind」は、英語の “Hide”(隠れる)と “Behind”(~の後ろに)を組み合わせた非常に直接的な名称であり、その驚異的な隠蔽能力に由来している。いかなる物体の背後にも隠れることができるという、その最も顕著な特徴を表している。

  • ハイドビハインドは、アメリカの木こりたちの間で語られていた伝承上の生物「ハイドビハインド (Hidebehind)」が元になっている。伝説においても、この生物は物陰に隠れて人間を襲う恐ろしい存在として描かれている(民間伝承)。
  • 映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』の関連資料やゲームなどでも言及されることがあるが、その詳細な設定は Pottermore のイルヴァーモーニー創設史が主な典拠となっている。