ブドウ (Vine) の木は、杖の木として使われる素材としては非常に珍しいものの一つである。つる植物であるため、杖の材料として加工するには特別な知識と技術が求められる。ギャリック・オリバンダーによれば、この木から作られた杖は特別な性質を持つとされる。(Pottermore)
ブドウの木の杖が持つ魔法の特性は、その持ち主の性格と深く結びついている。
古代のドルイドたちは、木ではなくつる植物であるブドウを神聖なものと見なしていたとされる。しかし、オリバンダー家のような熟練した杖作りは、この木材が秘める特別な可能性を見出し、古くから杖の材料として利用してきた。(Pottermore)
物語における最も著名なブドウの木の杖は、ハーマイオニー・グレンジャーがホグワーツ入学前に購入し、長年愛用したものである。彼女の杖は、長さ10と4分の3インチ、ブドウの木製で、杖の芯はドラゴンの心臓の琴線 であった。 この杖は、ハリー・ポッターとロン・ウィーズリーとの数々の冒険で決定的な役割を果たした。ポリジュース薬の調合、アズカバンの囚人における逆転時計の使用、神秘部の戦いでの活躍など、ハーマイオニーの優れた魔法能力を支える重要な道具だった。 しかしこの杖は、『ハリー・ポッターと死の秘宝』の物語中盤、ゴドリックの谷でナギニが化けたバチルダ・バグショットとの遭遇戦において、ハリーが放った爆発の呪文に巻き込まれ、修復不可能なほどに破壊されてしまった。その後、ハーマイオニーはベラトリックス・レストレンジの杖を使用することになる。