ホグワーツ特急は、深紅色の蒸気機関車です。車体の正面には「ホグワーツ特急 5972」という銘板が取り付けられています。多数の客車を牽引し、その内部はスライド式のドアで仕切られたコンパートメント(個室)に分かれています。 学期始めと終わりの運行中には、お菓子を山積みにしたカートを押す魔女が車内を巡回し、かぼちゃパイや蛙チョコレート、百味ビーンズなどを販売します。
ホグワーツ特急が導入される以前、生徒たちは各自でホグワーツへ向かっていました。移動キー (ポートキー)、箒、姿現わし (Apparition) など、その手段は様々でしたが、安全性に欠け、国際魔法使い機密保持法を危険に晒す事例も少なくありませんでした。 安全かつ秘密裏に全生徒を輸送する手段として、当時の魔法大臣オッタライン・ギャンボルがマグルの発明品である列車を利用することを提案しました。純血主義の魔法族からは強い反発がありましたが、最終的に魔法省はイングランドのクリーウーでマグルから深紅色の蒸気機関車を「入手」しました。この際には、英国史上最大規模とされる集団的な忘却術が用いられたとされています。(Pottermore) その後、列車には様々な魔法的な改造が施され、1850年代からホグワーツ生徒の輸送手段として正式に運用が開始されました。(Pottermore)
ホグワーツ特急は、ハリー・ポッターと読者にとって、初めて魔法界のコミュニティに触れる象徴的な場所です。