リコリスの杖は、ドラコ・マルフォイが所有していた二本目の杖です。彼が元々使っていたサンザシの杖をハリー・ポッターに奪われた後、新たに入手したものです。 その名の通り、杖本体がリコリス(甘草)の木で作られています。しかし、杖の長さ、芯材、柔軟性、そして全体的なデザインといった詳細な外見的特徴については、公式な記述が存在しません。この杖に関する情報は、すべてウェブサイトPottermoreで明かされたもので、原作小説には登場しません。(Pottermore)
リコリスという杖木が持つ固有の魔法的な特性については、ほとんど知られていません。J・K・ローリングによる杖木の解説にも含まれておらず、その性質は謎に包まれています。 この杖は、ドラコ・マルフォイが第二次魔法戦争の最終決戦であるホグワーツの戦いにおいて使用しました。しかし、彼がこの杖で特定の強力な魔法を行使したり、特筆すべき決闘を繰り広げたりする場面は描かれていません。(Pottermore)
1998年3月、マルフォイの館での騒動の際、ハリー・ポッターはドラコ・マルフォイとの格闘の末、彼のサンザシの杖を力ずくで奪いました。杖の忠誠心の法則に基づき、この時点でサンザシの杖はハリーを新たな主人として認めることになります。 主たる杖を失ったドラコは、その後、このリコリスの杖を新たな相棒として入手しました。入手した正確な時期や経緯は不明です。母親のナルシッサ・マルフォイが自分の杖をドラコに貸したように、他の家族から譲り受けたか、あるいはヴォルデモートの支配から解放されたオリバンダーが新たに製作した可能性などが考えられます。 ドラコは1998年5月2日のホグワーツの戦いでこの杖を携えて戦いに参加しました。
リコリスの杖は原作小説には登場しないため、物語のプロットに直接的な影響を与えることはありません。 しかし、この杖の存在は、杖の忠誠心という物語の根幹に関わる重要な概念を補強する上で意味を持ちます。最強の杖であるニワトコの杖の忠誠心がハリーに移ったのと同様に、ドラコの杖の忠誠心もまたハリーに移ったという事実を裏付けています。その結果として、ドラコが代わりの杖を必要としたという現実的な帰結を示す、補足的な情報として機能しています。