マルフォイの館での騒動
概要
1998年3月、第二次魔法戦争の最中にマルフォイの館で発生した重要な対決。禁句となったヴォルデモートの名を口にしたことで、ハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーが人さらいに捕らえられ、同館に連行された。この事件は、屋敷しもべ妖精のドビーとピーター・ペティグリューの死をもたらしたが、同時に英雄たちが重要な仲間や情報を得て脱出する結果となった、物語の大きな転換点である。
背景
分霊箱を探す旅を続けていたハリー・ポッター、ロン・ウィーズリー、ハーマイオニー・グレンジャーは、魔法省の支配下で身を隠していた。この時期、ヴォルデモートの名前は禁句 (Taboo) となっており、その名を口にすると人さらいに居場所を突き止められるようになっていた。ハリーがうっかり「ヴォルデモート」と口にしたため、フェンリール・グレイバックが率いる人さらいの一団に捕らえられてしまった。ハーマイオニーは即座にハリーの顔に刺し傷の呪いをかけ、その正体が容易にばれないようにした。
騒動の経過
- ベラトリックスのパニック:ベラトリックス・レストレンジは、人さらいが持っていたグリフィンドールの剣を目にし、パニックに陥る。彼女は自身のグリンゴッツの金庫に預けていたはずの剣が盗まれたと信じ込み、ルシウス・マルフォイがヴォルデモートを呼ぶのを制止した。
- 尋問と拷問:ベラトリックスはハーマイオニー・グレンジャーを他の者から引き離し、剣の入手経路を問いただすために磔の呪いで拷問した。
- ピーター・ペティグリューの死:物音を聞きつけたピーター・ペティグリューが地下牢を調べに来る。彼はハリーを襲うが、かつてハリーに命を救われた恩義から一瞬ためらいを見せた。その瞬間、ヴォルデモートが彼に与えた銀色の魔法の手が裏切りとみなし、彼自身の喉を絞めて殺害した。
- 戦闘と杖の所有権の移動:ハリーとロンは地下牢を脱出し、ハーマイオニーを救出するために階上へ向かう。戦闘の中、ハリーはドラコの杖を武装解除し、その所有権を得た。
結果と影響
この騒動は、物語の終盤において極めて重要な転換点となった。
- ピーター・ペティグリューの死:彼の死により、ハリーの両親を裏切った人物の一人が物語から退場した。
- 杖の忠誠心の移動:ハリーは戦闘中にドラコ・マルフォイの杖を力ずくで奪った。この行為により、ドラコがアルバス・ダンブルドアから勝ち取っていたニワトコの杖の忠誠心が、知らず知らずのうちにハリーへと移った。
参加者
- 囚人と救出側
- 死喰い人と捕獲側
幕後情報
- 映画版での変更点:
- ベラトリックス・レストレンジがハーマイオニー・グレンジャーの腕に「穢れた血 (Mudblood)」という言葉をナイフで刻みつける場面は、映画独自の演出であり、原作にはない。原作では拷問の内容は具体的に描写されていない。(映画設定)