許されざる呪文 (Unforgivable Curses) は、魔法界で最も強力かつ邪悪とされる三つの闇の魔術の総称です。これらの呪文は、アバダ・ケダブラ(死の呪い)、クルーシアタス・カース(磔の呪い)、そしてインペリウス・カース(服従の呪い)から構成されます。 これらの呪文の使用は魔法省によって固く禁じられており、人間に対して一度でも使用した場合、アズカバンでの終身刑が科せられます。その非人道的な性質から、これらの呪文はヴォルデモート卿と彼の追随者である死喰い人たちが好んで使用する象徴的な魔法となりました。
1717年、魔法省はこれら三つの呪文を「許されざる呪文」として公式に分類し、その使用を厳しく禁止しました。人間への使用に対する罰則は、アズカバンでの自動的な終身刑と定められています。 しかし、歴史上、例外的な状況下でその使用が許可されたことがあります。
許されざる呪文は、物語全体を通して善と悪の境界線を明確にする重要な要素です。これらの呪文を躊躇なく使用することは、ヴォルデモート卿とその信奉者たちの残虐性と道徳の欠如を象徴しています。 一方で、ハリー・ポッター自身も極限状況下でこれらの呪文を使用(または使用を試み)ました。シリウス・ブラックを殺された直後、彼はベラトリックス・レストレンジにクルーシアタス・カースを使用しますが、真の残虐な意図が欠けていたため、完全な効果は発揮されませんでした。しかし、後にグリンゴッツ魔法銀行への侵入の際には、ゴブリンのボグロッドと魔法使いのトラバースに対し、インペリウス・カースを成功させています。これは、戦争がいかにして善良な人物でさえも道徳的に困難な選択を強いるかを示しています。