イラクサ酒
基本情報
- タイプ (Type): 魔法飲料
- 所有者 (Owners): セブルス・スネイプ (使用者として)、ホラス・スラグホーン
- 製造者 (Maker): 不明
記述と外観
イラクサ酒は、魔法界で飲まれているアルコール飲料の一種で、その名の通りイラクサを原料として作られる。原作において具体的な色や容器に関する詳細な記述は少ないが、セブルス・スネイプが賢者の石を防衛するために用意した際には、7つのポーション瓶のうちの1つに入っていた。また、ホラス・スラグホーンのオフィスでは、他の高級酒と共に保管されていた。 ルビウス・ハグリッドは、この酒を「気弱な者向けではない (not for the faint-hearted)」と評しており、アルコール度数が高いか、非常に独特な風味を持つことが示唆される。
魔法的な特性と用途
イラクサ酒の主な用途は、他の酒類と同様に飲用である。しかし、物語の中では特殊な状況下で重要な役割を果たした。
- 無害な通過手段として: 『ハリー・ポッターと賢者の石』において、スネイプが仕掛けた魔法の炎を安全に通り抜けるための手段として提供された。このパズルでは、毒薬や前進するための薬と並んで、後退するための安全な選択肢として置かれていた。
- 社交の潤滑油として: 魔法界のパーティーや個人的な集まりで飲まれる一般的な飲料である。ホラス・スラグホーンは、優れた生徒や重要な客人にこの酒を振る舞うことがあった。
歴史
イラクサ酒がいつから存在するかは不明だが、少なくとも1991年にはホグワーツ魔法魔術学校の教授によって重要な仕掛けの一部として使用されており、魔法界では広く知られた飲み物であることがわかる。スラグホーンのような洗練された魔法薬学の専門家がコレクションに加えていることから、一定の品質や評価を持つ酒であると考えられる。
物語における役割
- 『ハリー・ポッターと賢者の石』: 賢者の石を守るための最後の障害の一つ、スネイプの論理パズルで登場する。7つの瓶の中から正しいものを選ばなければならず、そのうちの一つがイラクサ酒だった。ハーマイオニー・グレンジャーがパズルを解き、ハリー・ポッターを先に進ませるために、自分はこのイラクサ酒を飲んで来た道を引き返した。
- 『ハリー・ポッターと謎のプリンス』: 物語の重要な転換点で再び登場する。アラゴグの葬儀の後、ハリー・ポッターは幸運の液体 (フェリックス・フェリシス)の助けを借りて、悲しむハグリッドを慰めるためにスラグホーンを訪ねる。そこでハグリッドとスラグホーンはイラクサ酒を含む大量の酒を酌み交わし、スラグホーンは酔いつぶれてしまう。この状況を利用して、ハリーはスラグホーンからトム・リドルが分霊箱について尋ねた際の、改竄されていない完全な記憶を引き出すことに成功した。この記憶は、ヴォルデモート卿を倒すための決定的な手がかりとなった。