ウェールズ・グリーン種
基本情報
生態と習性
ウェールズ・グリーン種は、その名の通りウェールズの山岳地帯に生息するドラゴンです。他の多くのドラゴン種と比較して、人間を積極的に避ける傾向があるため、最も厄介ごとを起こさない種の一つとされています。その主な獲物は羊であり、人間の居住地には滅多に姿を現しません。 このドラゴンの鳴き声は非常に特徴的で、驚くほどメロディアスであると知られています。その炎は、広範囲に広がるのではなく、細く的を絞った噴流として放たれます。巣は通常、高山の岩場に作られます。
物語における役割
ウェールズ・グリーン種は、主に『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』において重要な役割を果たします。1994年に開催された三校対抗試合の第一の課題で、各校の代表選手が対峙する4頭のドラゴンのうちの1頭として登場しました。
- フラー・デラクールの対戦相手: ボーバトン魔法アカデミーの代表選手であるフラー・デラクールが、くじ引きによってこのウェールズ・グリーン種と対戦することになりました。
この出来事を通して、ウェールズ・グリーン種は比較的おとなしい性質を持つという評判とは裏腹に、ドラゴンとしての本質的な危険性を読者に示しました。
関連する歴史的事件
- イルフラクーム事件 (1932年): 一頭のウェールズ・グリーン種がウェールズの巣から離れ、マグルで賑わうデヴォン州イルフラクームの海岸に降り立った事件。当時休暇中だった魔法使いの一家(トーク家)が、その場にいたマグル全員に大規模な記憶呪文をかけるという勇敢な行動で国際魔法使い機密保持法の危機を救いました。この功績により、トーク家はマーリン勲章勲一等を授与されました。(『幻の動物とその生息地』)
名前の由来
その名前は非常に直接的です。
- ウェールズ (Welsh): 原産地であるウェールズ地方に由来します。
- グリーン (Green): その体の色である緑色に由来します。
舞台裏情報
- 映画におけるデザイン: 映画版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』に登場するウェールズ・グリーン種は、他のドラゴンとは明確に区別されたデザインがなされています。特に、長くしなやかな首、頭部の角、そしてより爬虫類的な体つきが特徴的で、視覚的に優雅かつ危険な印象を与えます。(映画設定)