フラー・デラクール

フラー・イザベル・デラクール (Fleur Isabelle Delacour) は、フランス出身の魔女であり、四分の一ヴェーラの血を引いています。彼女はボーバトン魔法アカデミーの卒業生であり、1994年から1995年にかけてホグワーツ魔法魔術学校で開催された三大魔法学校対抗試合では、ボーバトンの代表選手として参加しました。当初は高慢な印象を与えましたが、物語が進むにつれて、その勇敢さ、忠誠心、そして深い愛情が明らかになります。 第二次魔法戦争では、再結成された不死鳥の騎士団のメンバーとしてヴォルデモート卿と戦い、後にビル・ウィーズリーと結婚してウィーズリー家の一員となりました。

1994年、フラーはボーバトン魔法アカデミーの校長オリンペ・マクシームと共にホグワーツを訪れ、三大魔法学校対抗試合の代表選手に立候補しました。炎のゴブレットによってボーバトンの代表選手に選ばれた彼女は、当初、ホグワーツの装飾や食事に不満を漏らすなど、批判的で近寄りがたい態度を見せていました。

大会後、フラーは英語力を向上させるためにロンドンのグリンゴッツ魔法銀行でパートタイムの職を得ました。そこで大会中に知り合ったビル・ウィーズリーと再会し、恋に落ちて婚約します。当初、ウィーズリー家モリー・ウィーズリージニー・ウィーズリーは彼女を「痰 (Phlegm)」とあだ名で呼ぶなど、よそよそしい態度をとっていました。 しかし、天文台の塔の戦いでビルが狼人間フェンリール・グレイバックに襲われ、顔に深い傷を負った際、フラーの彼への愛の深さが証明されます。モリーが婚約は破談になるだろうと考えたのに対し、フラーはビルの外見など問題ではなく、「二人分美しければいい」と断言しました。この毅然とした愛情深い態度がモリーの心を動かし、フラーはウィーズリー家の一員として温かく受け入れられました。 フラーは7人のポッターの戦いにビルと共に参加し、ハリーの護衛役の一人を務めました。1997年8月1日、彼女は隠れ穴でビルと結婚式を挙げましたが、その祝宴は魔法省の陥落と死喰い人の襲撃によって中断されました。 その後、夫妻は貝殻の家に居を構え、その家は不死鳥の騎士団の隠れ家となりました。マルフォイの館から脱出してきたハリー、ロン、ハーマイオニーたちを匿い、手厚く看護しました。最終決戦であるホグワーツの戦いにも参戦し、無事に生き残りました。

戦後、フラーとビルにはビクトワール・ウィーズリードミニク・ウィーズリールイス・ウィーズリーという三人の子供が生まれました。彼女は第二次魔法戦争での貢献を称えられ、イギリスとフランス両国の魔法省から勲章を授与されました。

フラーは、銀金色の長い髪と大きな青い瞳を持つ、息をのむほど美しい魔女として描かれています。その美しさはヴェーラの血によるもので、ほとんどの男性を魅了する力を持っています。 初対面の印象は傲慢で冷淡に見えがちですが、実際は非常に勇敢で、一度心を許した相手には深い愛情と忠誠心を示します。特に家族や愛する人々を守るためには、どんな危険も厭わない強い意志を持っています。第二の課題で妹を救えなかったことを深く悔やみ、ハリーに心からの感謝を示すなど、情に厚い一面も持っています。

  • ヴェーラの魅力: 生まれつきヴェーラの魅力を持ち、男性を惹きつけます。怒ると、顔が猛禽類のように変化し、甲高い叫び声を上げることがあります。
  • 無言呪文: 高度な無言呪文を使いこなす能力があります。
  • 呪文学: ドラゴンを眠らせるほどの強力な呪文を行使できることから、呪文学に長けていることがうかがえます。
  • 決闘: 三大魔法学校対抗試合の代表選手に選ばれたこと、そして第二次魔法戦争の数々の戦いを生き延びたことから、彼女が高い決闘能力を持つ優秀な魔女であることがわかります。
  • 杖 (Wand): 長さ9.5インチ、ローズウッド製、芯は自身の祖母であるヴェーラの髪の毛。ギャリック・オリバンダーによれば、ヴェーラの髪を芯にしたは「気性が激しい」とされています。
  • フラーの杖: 祖母の髪を芯に持つ、彼女専用の
  • ゴブリン製のティアラ: ビルとの結婚式で着用。これはビルのマリエル大叔母から借りたものでした。
  • Fleur: フランス語で「花」を意味します。
  • Delacour: フランス語の “de la cour” に由来し、「宮廷の」や「法廷の」といった意味を持ちます。
  • Fleur Delacour という名前全体では、「宮廷に咲く花」といった意味合いになり、彼女の優雅で美しい容姿と高貴な雰囲気を的確に表しています。
  • 映画『ハリー・ポッター』シリーズでは、フランスの女優クレマンス・ポエジーがフラー・デラクール役を演じました。(映画設定)
  • 映画版では、ウィーズリー家の女性たちとの初期の確執や、それが解消される重要な場面は、原作ほど詳細には描かれていません。(映画設定)