ヴェーラ

ヴェーラ (Veela) は、東ヨーロッパ、特にブルガリアに生息するとされる、人間の姿に似た半人的な魔法生物の一種である。彼女たちは息をのむほどの美しさを持つ女性の姿をしているが、怒ると恐ろしい鳥のような姿に変身することで知られている。その魅力と激しい気性から、魔法界では広く知られた存在である。 フラー・デラクールは祖母がヴェーラであったため、四分の一ヴェーラの血を引いている。

ヴェーラの外見と性質は、その感情の状態によって劇的に変化する。

  • 通常時: ヴェーラは非常に美しい女性の姿をしている。その肌は月のように輝き、金色の髪は風がないのに宙に舞う。彼女たちの容姿と、後述する魔法的な魅力は、特に男性に対して抗いがたい影響を与える。
  • 激昂時: ヴェーラが怒ると、その美しい顔は長く鋭い嘴を持つ残酷な鳥の頭に変わり、肩からは鱗に覆われた翼が生える。この恐ろしく鳥のような姿に変身した際、彼女たちは非常に危険な存在となる。
  • 性質: ヴェーラは非常に気位が高く、激しい気性を持つことで知られている。侮辱されたと感じると、即座に怒りを爆発させ、攻撃的になる傾向がある。

ヴェーラは、その美しさだけでなく、強力な魔法的能力をいくつも備えている。

ヴェーラは人間の男性と結婚し、子孫を残すことができる。その子供たちはヴェーラの血を引き継ぎ、常人離れした美しさや魅力を備えることが多い。

「ヴェーラ (Veela)」という名前は、スラブ神話に登場する精霊「ヴィラ (Vila)」に由来すると考えられている。神話におけるヴィラは、山や森に住む美しい女性の姿をした精霊で、歌や踊りで人を魅了するが、怒らせると恐ろしい存在に変わるとされている。この特徴は、J.K. ローリングが描いたヴェーラの性質と酷似している。

  • 映画版『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、ヴェーラが怒って変身する際、原作の「鳥のような姿」とは異なり、炎のようなエネルギー体に変化する描写となっている。(映画版の設定)