クリスマス・ダンスパーティ
基本情報
- タイプ (Type): 舞踏会、社交行事
- 場所 (Location): ホグワーツ魔法魔術学校、大広間
- 重要特徴 (Key Features): 三大魔法学校対抗試合の伝統行事。各校の代表選手がパートナーと共に最初のダンスを踊ることで舞踏会が始まる。原則として4年生以上の生徒に参加資格が与えられる。
記述と歴史
クリスマス・ダンスパーティ(Yule Ball)は、三大魔法学校対抗試合が開催される際に、主催校でクリスマスの夜に開かれる伝統的な舞踏会です。その主な目的は、参加校間の国際的な友好を深めることにあります。 1994年、ホグワーツで開催された際は、大広間が雪と氷の冬景色に一変しました。壁はきらめく銀の霜で覆われ、天井からはヤドリギとアイビーの花輪が下がり、無数の妖精が舞っていました。通常の4つの寮の長テーブルは撤去され、代わりにランプが置かれた小さな丸テーブルが多数配置されました。ステージでは、魔法界で人気のロックバンド「妖女シスターズ」が生演奏を披露しました。 参加者は正装(ドレスローブ)を着用することが求められ、特にハーマイオニー・グレンジャーがビクトール・クラムのパートナーとして、優雅なペリウィンクルブルーのローブ姿で登場し、多くの生徒を驚かせました。
物語における役割
この舞踏会は、『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』の物語において、登場人物たちの人間関係や感情を大きく進展させる重要な舞台となりました。
- ロン・ウィーズリーとハーマイオニー・グレンジャーの関係: ロンは、ハーマイオニーが敵対校の代表選手であるビクトール・クラムと親密にしていることに強い嫉妬心を抱き、舞踏会の終わりに彼女を激しく非難します。この口論は、二人が互いに抱いている恋愛感情が初めて表面化する重要な出来事となりました。
- ハリー・ポッターの恋愛模様: ハリーは想いを寄せていたチョウ・チャンを誘うことに失敗し、彼女がセドリック・ディゴリーのパートナーとなったことで複雑な感情を抱きます。結果的にパーバティ・パチルをパートナーとしますが、彼女をないがしろにしてしまい、恋愛における自身の未熟さを露呈しました。
- ルビウス・ハグリッドの秘密: ハグリッドは、庭でオリンペ・マクシームに自身が半巨人であることを打ち明けます。しかし、この会話を魔法動物である甲虫の姿で盗み聞きしていたリータ・スキーターによって、後に日刊予言者新聞で暴露されてしまいます。
- ヴォルデモート復活の予兆: 庭の片隅で、イゴール・カルカロフがセブルス・スネイプに自分の腕の闇の印が再び濃くなってきたことを見せ、恐怖を露わにします。これは、ヴォルデモートの復活が間近に迫っていることを示す不吉な伏線です。
既知の区域
この行事は大広間という一つの場所で行われましたが、物語の中で重要な出来事が起きた、機能的に分かれた「区域」が存在します。
- テーブル席: 生徒たちが食事や会話を楽しむために配置された小さなテーブル。ハウスごとの長テーブルとは異なり、異なる学校や寮の生徒が交流する場となりました。
幕後情報
- 名称の由来: 原語の「Yule Ball」にある「ユール(Yule)」は、キリスト教以前のゲルマン民族が行っていた冬至祭を指す言葉であり、単なる「クリスマス」よりも古風で魔法的な響きを与えています。
- 映画での描写: (映画設定)映画『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』では、いくつかの変更点があります。
- ハーマイオニー・グレンジャーのドレスローブの色は、原作のペリウィンクルブルー(明るい青紫色)からピンクに変更されました。
- フィリウス・フリットウィック先生が、バンドの演奏中にクラウドサーフィングをするコミカルな場面が追加されました。
- 妖女シスターズのメンバーとして、イギリスのロックバンド「レディオヘッド」や「パルプ」のメンバーが出演しています。