守護霊の呪文
呪文の基本情報
- 呪文 (Incantation): エクスペクト・パトローナム
- 発音 (Pronunciation): エクスペクト・パトローナム (ek-SPEK-toh pa-TROH-nuhm)
- 杖の動き (Wand Movement): 原作小説では特定の動きは明記されていないが、通常は対象に杖を向ける。
- 光の色 (Light Color): 銀白色
- 分類 (Type): 魔除け、防衛呪文
既知の用途と歴史
守護霊の呪文は、作中で最も重要かつ強力な防衛魔法の一つとして登場する。
- ダンブルドア軍団での指導: 『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』で、ハリーはダンブルドア軍団のメンバーたちにこの呪文を教えた。多くの生徒が、ドローレス・アンブリッジの支配下にあるホグワーツで実用的な防衛術を学ぶ中で、それぞれの守護霊を(一部は実体化させて)呼び出すことに成功した。
- 重要な導き手: 『ハリー・ポッターと死の秘宝』では、セブルス・スネイプが雌鹿の守護霊(リリー・ポッターと同じ形)を使い、ハリー・ポッターをディーンの森にあるグリフィンドールの剣が隠された池へと導いた。
学習と対抗策
- 対抗策: この呪文自体に対する直接的な対抗呪文や無効化呪文は存在しない。しかし、術者の集中力が乱れたり、幸福な記憶が弱まったり、あるいは吸魂鬼の数が多すぎて守護霊の力を上回ったりすると、守護霊は消滅してしまう。
名前の由来
呪文の「エクスペクト・パトローナム」はラテン語に由来する。
- Expecto: ラテン語で「私は待つ」「私は待ち望む」を意味する。
- Patronum: ラテン語で「守護者」を意味する “patronus” の対格(目的格)。
したがって、呪文全体で「我、守護者を待ち望む」という意味になる。
幕後情報
- J.K. ローリングによると、守護霊の形は術者の心の奥底にある、隠された自己を反映しているとされる。また、愛のような人生を変えるほどの出来事によって、その形が変化することがある。例として、ニンファドーラ・トンクスの守護霊はリーマス・ルーピンへの愛から狼の形に変化し、セブルス・スネイプの守護霊はリリー・ポッターへの変わらぬ愛のために彼女と同じ雌鹿の形をしていた。(Pottermore)
- 一般的に、闇の魔法使いはこの呪文を使用できない。なぜなら、彼らは呪文の燃料となる純粋な幸福感や希望を持ち合わせていないからである。ドローレス・アンブリッジは例外的に猫の守護霊を呼び出せたが、これは彼女の邪悪さが非常に純粋であり、吸魂鬼の影響を受けにくいためだと説明されている。(Pottermore)