フィデリウスの呪文 (赤胆忠心咒)

  • 咒语名称 (Incantation): 不明(極めて複雑な魔法であるため、特定の呪文の言葉は明かされていない)
  • 発音 (Pronunciation): 不明
  • 手勢 (Wand Movement): 不明
  • 光芒颜色 (Light Color): 不明
  • 咒语效果 (Effect): ある秘密を、一人の生きた人間の魂の中に魔法で隠す。この呪文によって選ばれた人物は「秘密の守人 (Secret-Keeper)」となり、守人が自発的に秘密を明かさない限り、その情報を他者が知ることは不可能になる。
  • 咒语分类 (Type): 魔呪 (Charm)

この呪文は、極めて強力な防衛魔法として、物語の重要な局面で何度か使用された。

  • 学習: フリットウィック先生によれば、「フィデリウスの呪文」は「極めて難しい」 (fiendishly difficult) 魔法とされる。秘密を人間の魂に直接埋め込むという、非常に高度で複雑な性質を持つため、習得には卓越した魔法力が要求される。
  • 反制: この呪文に対する直接的な反呪 (Counter-spell) は存在しない。秘密は、秘密の守人から力ずくで(例えば開心術 (Legilimency) や服従の呪文 (Imperius Curse)、拷問によって)引き出すことはできない。秘密を知る唯一の方法は、秘密の守人が自発的にその情報を明かすことである。
  • 守人の死: 秘密の守人が死亡した場合、その秘密は守人が生前に秘密を打ち明けたすべての人々によって共有され、彼ら全員が新たな秘密の守人となる。

「Fidelius」は、ラテン語の fidelis に由来する。fidelis は「忠実な」「信頼できる」「誠実な」といった意味を持つ。これは、呪文の効果が秘密の守人の忠誠心と信頼性に完全に依存していることを的確に示している。

  • 呪文で隠された場所に物理的に近づいても、秘密を知らされていなければその存在を認識することはできない。例えば、ヴォルデモートはポッター家が住む通りの前に立っていても、家そのものを見ることはできなかった。
  • 秘密を伝える方法は口頭である必要はなく、秘密の守人が書いたメモなどでも可能である。アルバス・ダンブルドアは、ハリー・ポッターグリモールド・プレイス十二番地の場所を知らせる際、その住所を書いたメモを見せるという方法を用いた。