ブドウ

ブドウ (葡萄)

ブドウ (Vine) の木は、杖の木として使われる素材としては非常に珍しいものの一つである。つる植物であるため、杖の材料として加工するには特別な知識と技術が求められる。ギャリック・オリバンダーによれば、この木から作られた杖は特別な性質を持つとされる。(Pottermore)

ブドウの木の杖が持つ魔法の特性は、その持ち主の性格と深く結びついている。

  • 持ち主の選定: 普通ならざる目的やビジョンを持ち、自分でも気づいていないような深い一面を持つ人物に強く惹かれる性質がある。このような人物は、しばしば友人や周囲の人々を驚かせるような行動をとる。(Pottermore)
  • 感受性の高さ: 持ち主候補を探知する能力に非常に長けており、適合する人物が部屋に入ってきただけで魔法の力を発することがあると、オリバンダーは記録している。(Pottermore)
  • 忠誠心と学習能力: 一度持ち主を認めると非常に忠実であり、持ち主の性格に繊細に呼応して、新たな魔法を素早く学習する能力を促進すると言われている。(Pottermore)

古代のドルイドたちは、木ではなくつる植物であるブドウを神聖なものと見なしていたとされる。しかし、オリバンダー家のような熟練した杖作りは、この木材が秘める特別な可能性を見出し、古くから杖の材料として利用してきた。(Pottermore)

物語における最も著名なブドウの木の杖は、ハーマイオニー・グレンジャーホグワーツ入学前に購入し、長年愛用したものである。彼女の杖は、長さ10と4分の3インチ、ブドウの木製で、杖の芯ドラゴンの心臓の琴線 であった。 この杖は、ハリー・ポッターロン・ウィーズリーとの数々の冒険で決定的な役割を果たした。ポリジュース薬の調合、アズカバンの囚人における逆転時計の使用、神秘部の戦いでの活躍など、ハーマイオニーの優れた魔法能力を支える重要な道具だった。 しかしこの杖は、『ハリー・ポッターと死の秘宝』の物語中盤、ゴドリックの谷ナギニが化けたバチルダ・バグショットとの遭遇戦において、ハリーが放った爆発の呪文に巻き込まれ、修復不可能なほどに破壊されてしまった。その後、ハーマイオニーベラトリックス・レストレンジの杖を使用することになる。

  • 「ブドウ (葡萄)」は、英語の “Vine” の日本語訳である。
  • 葡萄の木の杖に関する詳細な特性の多くは、J.K. ローリングがウェブサイト「Pottermore」(現在の「Wizarding World」)で公開した追加情報に基づいている。原作小説では、ハーマイオニーの杖が葡萄の木製であると述べられているのみで、その性質についての詳しい説明はない。
  • ケルトの樹木暦において、葡萄は感情の解放や真実の探求と関連付けられることがある。これは、非常に論理的でありながら、時には強い情熱や正義感に駆られて行動するハーマイオニーの性格と響き合う部分があるかもしれない。(Pottermoreからの類推)